秋は運動会、音楽会、遠足などさまざまな行事が多いですね。多くの子どもにとってイベントは楽しいものですが、中には行事が続くと気疲れして調子を崩してしまうお子さんもいます。
行事の前の練習の期間は、普段とは違う「特別時間割」を組む学校や園が多く、活動場所が変わったり、持ち物が違ったり、担任以外の先生と接することがあったりします。見通しが持てないと不安になりやすい、変化に対応しにくいといった子どもにとっては、気疲れの連続になります。
また、不器用だったり感覚の偏りがあったりして、運動競技、楽器の演奏などに苦労することもあります。先生たちの指示に従わなければいけない場面が多いため、通常よりも緊張することが多くなりがちです。
本人の訴えがなくても自覚しないまま疲労がたまり、家に帰ってから機嫌が悪い、切り替えがスムーズにいかなくなった、宿題が終わらないといった行動の変化として現れることもあります。学校や園ではそれほど支障なく頑張れているようでも、帰宅後の不調があるなら、疲れが蓄積している可能性を考えて、担任と連携していくことも考慮するとよいでしょう。
行事の練習や本番の参加の仕方を工夫したり、さまざまな合理的配慮を受けたりすることで、本人が安心し、楽しんで参加できることが望ましいです。少なくとも負担がかかり過ぎずに、行事シーズンを乗り越えられるといいですね。
次回はもう少し具体的な工夫や合理的配慮についてお話していきたいと思います。
【なないろキッズ】 #27 行事続き自覚無い疲労も
- 2019/10/01
- 小児科医・新美妙美のなないろキッズ