丸の内病院整形外科部長・百瀬敏充医師に聞くー四十肩・五十肩の治療法

肩が痛い、腕が上がらない、もしかしてこれは「四十肩・五十肩」かも?という経験はありませんか。寒くなるこれからの時季に発症することも多いというこの病気の治療などについて、丸の内病院(松本市渚1)の整形外科部長で上肢外科が専門の百瀬敏充医師(59)に聞きました。

肩温め適度に運動を

―四十肩・五十肩とは
正式には「肩関節周囲炎」と言い、中年以降に多く見られることからこのように呼ばれています。
主な症状は肩を動かすと痛い(運動痛)、痛みで眠れない(夜間痛)、自力で腕が上がらない(挙上障害)など。両肩に同時に起こることはほとんどありません。
根本原因ははっきり分かりませんが、関節を構成する骨、軟骨、靱帯(じんたい)、腱などが老化して、肩関節の周囲の組織に炎症が起きることで症状が出ると考えられています。
―なりやすい人は
40~50代で、日頃、あまり肩を使わない人です。男女差はほとんどありませんが、診療現場では比較的女性の方が多い印象です。
―診断は
X線(レントゲン)とMRI(磁気共鳴画像)を撮ります。X線撮影で異常がないことを確認し、MRIでは肩腱板(けんばん)に断裂があるかないかを診ます。肩腱板は、腕の骨と肩甲骨をつなぐ板状の腱です。
―治療法は
症状は3段階に分かれます。最初の「急性期」は強い痛みを伴うことが多いため、鎮痛剤の処方や肩関節にヒアルロン酸の注射などをします。無理に動かさず安静が必要です。
「慢性期」になると痛みは治まりますが、肩関節が固まり、動きが悪くなります。この時期は、肩の動きをよくするリハビリが必要です。理学療法士による専門の運動療法をお勧めします。
最後は「回復期」。一般的に四十肩・五十肩は1、2年で治ると言われていますが、何らかの症状が残る人が意外と多いです。家でできる運動療法もあるので、医師や理学療法士の指導の下、毎日続けてください。
肩関節の動きをよくする袋(肩峰下滑液包)や関節を包む袋(関節包)の癒着をはがす手術もあります。きちんと治療とリハビリをすれば、多くの場合は時間がかかっても症状は治まります。
―肩腱板断裂との違いは
五十肩は、肩の動きが上、横、後ろと、あらゆる方向に動きが制限されます。一方、肩腱板断裂は、運動痛や夜間痛があっても、肩関節の動きが固くなることは少なく、腕の上げ下ろしで痛みが出ます。引っかかってうまく腕がおろせないといった症状もあります。
自己判断せず、痛みがあったら整形外科を受診してください。
―予防や再発を防ぐには
血行が悪くならないよう、肩を冷やさないことが大切です。お風呂で温まる、寝る時は肩に布団を掛ける、枕やクッションを肩の周りに置くといったことを心掛けてください。
また、適度な運動も必要です。日頃から肩関節を動かすストレッチや体操などを積極的に取り入れるといいでしょう。

(八代けい子)


投稿者: mgpress