就学支援内容や背景は

「お友達とうまく遊べない」「落ち着いて座っていられない」など、子どもらしい行動だけどちょっと気になる、ということはありませんか?松本市は本年度から、全公立保育園、幼稚園の年中児の保護者向けに、就学ガイダンスを行うことにしました。子どもの行動や発達で心配なことがあれば、就学前から相談してもらい、必要な支援などを考えて安心して入学を迎えてもらうためです。この取り組みや導入した背景などについて、市教育委員会学校指導課の指導主事、矢口哲平さん(44)に話を聞きました。

個々の特性に合う教育

★学校での支援
学校で一斉に授業を受けることが、困難な子どもたちがいます。そうした子どもたち一人一人の特性に合わせて支援をする教育を、「特別支援教育」といいます。松本市では市立小学校28校のうち、大野川、安曇、奈川を除く全校に特別支援学級を設置しています。また、さらにきめ細かい特別な支援が必要な子どもには、特別支援学校(盲学校、ろう学校、養護学校など)もあります。
特別支援学級には、言葉の理解や表現が同年代の子よりゆっくりな子どもが学ぶ知的障害特別支援学級と、人間関係づくりが苦手だったり、情緒面への支援が必要だったりする子どもを対象にした自閉症・情緒障害特別支援学級などがあります。
また、ことばの教室(言語障害通級指導)、まなびの教室(学習障害等通級指導)が一部の小学校に設置されていて、通常の学級に在籍しながら専門的な支援を受ける通級による指導も行われています。
★早いうちからサポートが必要?
行動や発達に心配があっても通常の学級に通わせたい、できれば支援を受けずに済ませたい、と悩む親は多く、入学して様子をしばらく見てからでもよいのでは、と考える方もいるかもしれません。
しかし、小さいうちは困ったり、悩んだりする理由を自分でうまく説明できません。本人は頑張っているのにうまくいかず苦しい、周囲の理解がなく適切な支援を受けられないといったことが重なり、引きこもりや不登校という目に見える形になってから対処する、というのはとても難しくなります。心配し過ぎず、早く気付くことがより良い支援の一歩。周囲の関わり方で、その後のつまずきを少なくすることもできます。
就学相談を始めた場合、学校見学や体験をし、教育、医療、行政関係者が客観的な判断をしながら支援の形を決めていきます。相談の段階で通常の学級に決まるケースもあります。年中児の保護者向けにガイダンスを始めたのは、入学1年前から相談を始められるので、準備する時間ができるからです。
相談したい、詳しいことを知りたいという方は、(1)乳幼児健康診査の場で小児科医、保健師、心理士に相談(2)市こども部あるぷキッズ支援室電話24・1235または市学校指導課電話33・4397で相談|という方法があります。子育て支援センターやサークル、親の会、保育・幼稚園、医療機関、福祉施設、学校での教育などについて情報を提供しています。

学校を得意伸ばす場に

取材を終えて、矢口さんの「子どもたちには、苦しくなる前に、支援してほしいという気持ちを言える力を身に付けてほしい。それが社会に出てからも大事な力になる」という言葉が印象に残りました。障害の有無にかかわらず、いろいろな人がいるのが社会。「それぞれの子どもたちに居場所をつくっていくことが大切であり、支援の仕方も工夫していきたい」とも話していました。
「発達に遅れがある」と言われてショックを感じない親はいません。でも、苦手なことに必要以上の我慢を強いることより、必要な支援をして得意なことで自信を付け、さまざまなことに挑戦していく力を育てることが大事だという考え方もあります。人は違っていいし、その個性が尊重されるものという考えが当たり前になり、学校が子どもたちにとって居心地の良い場となることがとても大切だと感じました。

(冨田琴美)


投稿者: mgpress