MTB東京五輪テスト大会で力試し 中信在住の3選手が疾走

出場した日本人男子選手4人のうち3人が中信地域に在住。2020年東京五輪の本番コースを駆け抜けた。
静岡県伊豆市の伊豆MTBコースで6日、東京五輪のテスト大会「READY STEADY TOKYO(レディー・ステディー・トーキョー)」のうち、マウンテンバイク(MTB)競技が行われた。
男女とも、世界のトップ選手が日本に初めて集結。松本市里山辺の山本幸平(34、DREAM SEEKER RACING TEAM)、同市浅間温泉の平野星矢(32、TEAM BRIDGESTONE Cycling)、白馬村の平林安里(22、SPECIALIZED RACING JAPAN)の3選手も、本番コースで力試しに臨んだ。
「五輪仕様」で行われたレースの一日を追った。

世界との差痛感も本番へ闘志

午前8時半 伊豆MTBコースがある日本サイクルスポーツセンターに到着すると、会場の至る所に警察車両が駐車され、警察官が巡回。本番さながらの物々しさだ。
午前9時 メディアの受け付け開始。テント前には既に十数人の列ができており、自転車専門誌のカメラマンとみられる男性は「MTBの取材でこんなに列ができたのは初めて」。招待された観客約1800人が乗ったシャトルバスも次々と到着する。
午前10時 プレスルームで取材に関する説明が始まる。海外メディアもいて、英語での対応も。ある記者が撮影ポイントの確認をすると、説明をした東京2020組織委員会の関係者は「撮影ポジションは設けているが、基本的には観客の邪魔にならなければどこでもOK」と返答。意外と緩やかだ。
午前10時15分 コースの撮影ポイントを探す。伊豆MTBコースは全長4キロ、高低差180メートル。五輪のために全面改修し、岩が転がる起伏を上り下りする「天城越え」、林の中の曲がりくねった岩場を乗り越える「浄蓮の滝」など、伊豆にちなんだ名称の人工セクションを設けている。また、垂直に近い坂を下ってすぐに直角に曲がるなど、目の肥えた観客が「これはやばいだろ」と驚くほどの難コースだ。全日本チームの鈴木雷太監督(47、松本市小屋南)はレース前に「超トリッキー。こんなコース見たことない」と漏らした。
午前11時 女子のレースがスタート。43人が出場し、国際自転車競技連合(UCI)ランキングの上位10人が勢ぞろい。日本勢は3人。
午後0時15分 スイスのヨランダ・ネフ選手がトップでゴール。日本人女子トップは松本璃奈選手(TEAM SCOTT JAPAN・茅野高出)の34位。レース後すぐにコース上で表彰式が行われ、スイス国旗を持った大勢のファンが集まった。
午後2時 男子のレースがスタート。46人が出場し、UCIランキング上位10人のうち4、5、9位を除く7人が顔をそろえた。記者はスタート地点から約100メートル離れた場所でカメラを構える。ペダルを力強くこぎ、「ぐんぐん」という音が聞こえるかのように近づいてくるつわものの集団は、迫力満点。カメラの数十センチ近くを通り過ぎる時の「うぉん」という風切り音に、思わずのけぞった。
午後3時18分 スイスのニーノ・シュルター選手が2位と2秒差のマッチレースを制してゴール。日本人でただ一人完走した山本幸平選手はトップと8分38秒差の35位。平林安里選手は42位、平野星矢選手は43位。中信勢=日本勢と世界トップとの大きな差を見せつけられた。

レース後、ミックスゾーンで大勢の記者に取り囲まれた山本選手は、「今、感じられることを感じるために今日は走った。その点で最後まで走れたのはよかった。世界と差があるのは分かっている。これからより高めて、世界と戦えるまでにしていくのが自分のやること」と、来年7月の本番を見据えて強調。日本で世界トップレベルの選手が走った大会は初めてであることにも触れ「これをきっかけに、日本のMTBシーンが変わっていけばいい」と期待した。
(浜秋彦)


投稿者: mgpress