【なないろキッズ】 #28 ストレス軽減する準備を

学校行事が多くなる時期の大変さの一つは、予定の変更が多く、スケジュールなどの見通しが持ちにくいということがあります。それが気にならない人は、その場に行って適当に合わせておけばよく、ストレスには感じなかったと思いますが、自閉特性がある人にとっては見通しが持てないことは、非常にストレスがかかるのです。
自閉症というと、ステレオタイプ的には「予定変更でパニックになる」などと言われますが、別にパニックにならなくても、見通しが持てない状況では緊張感や、気疲れ感が大きいのです。しかも本人でさえも、それをストレスと自覚しないまま、気を張って疲労が蓄積することがあります。
練習期間中の時間割の変更、移動する教室の場所、どれくらいの時間がかかり何をするのか、担当の先生は誰か|といったことなどを、事前に、口頭の説明ではなく、メモなど視覚的なものにして渡してもらえるだけで心構えができて、ストレスが軽減します。
さらに心構えを持つメリットとして、例えば「音楽室の練習は、楽器の音が大きくてつらいかもしれない」といった心配事を意識することができ、「イヤーマフ(耳あて)を持っていってもいいですか?」という相談ができるようになります。
心配事を意識して、ストレスを軽減するための相談をすることは、ストレスマネジメント上、とても重要で、音楽会でリコーダーが吹けるようになることよりも、ずっとずっと生きていくのに必要なスキルといえます。
学校行事で達成すべき課題の一つは、そんなふうに、自分自身のストレスを見つけて、無理のない適応方法を探り、相談、交渉するスキルを身に付けることだと思っています。