障害者の自立向上願い手作り品販売

ファインビューティーサロンでいらぼっちゃ 安曇野市

障害者が作った商品を、自らの手で販売することで自立の向上につなげ、地域との垣根をなくして交流の輪を広げてほしい─。そんな思いを込めた「ファインビューティーサロンでいらぼっちゃ」が、安曇野市三郷小倉の宿泊・入浴施設「ファインビュー室山」で月1回、開かれている。
主催するのは訪問福祉美容師の遠山光子さん(54、松本市渚)。障害者が作る商品の多くが販売委託されていると聞き発案。イベント会場で障害者が販売に携わり、地元のクラフト作家らと販売ブースを並べることで得られる体験や情報を商品開発にも生かせれば、と願う。
今のところ、出店者は障害者も作家も遠山さんの知人や知り合いが中心。店をのぞく客もまばらだが、遠山さんは何とか定着させようと奔走している。

就労支援施設の出店をもっと…

「ファインビューティーサロンでいらぼっちゃ」が開くのは、毎月第1日曜の午後1~5時。4回目となった今月6日は、障害者通所施設「コムハウス」(松本市寿豊丘)と、オリジナルのイラストでポストカードを作る「ラクガキ屋Mallu(まる)」の丸山正彦さん(山形村)ら作家5人が出店した。
コムハウスが布巾やクッキーなどを販売。作家らは会場内で、イラスト制作や折り紙のリース作り、手形アートの体験会なども開いた。ロビーには美しいハンドベルの音色が流れる。安曇野市穂高のハンドベル奏者、耳塚知美さんがイベントに協力した。
「いろいろな人が参加でき、垣根を越えて楽しめるイベントにしたい」と遠山さん。だが、日曜ということもあり、出店する就労支援施設が少ないのが悩み。これまで作家はステンドグラスの小物などを作る「4grass(グラス)」の松澤ひろみさん(安曇野市三郷)ら10人が出店したが、就労施設はコムハウスと「ふれっ手」(松本市旭)の2事業所にとどまる。
ファインビュー室山は遠山さんから相談を受けた際、ロビー横にある54畳ほどの部屋の有効活用を検討中だったこともあり、趣旨に賛同してチラシを作ったり、同館のホームページで紹介するなどの協力をしている。

作家の出品が刺激になれば

遠山さんは訪問専用美容「たんぽぽ」代表。体が不自由な人や心の病を抱えた人など、美容室に行けない人の元へ出向いている。イベント名の「ファインビューティーサロンでいらぼっちゃ」は、美しい景色を楽しみながらお茶を飲める部屋のように楽しい時間を過ごしてほしいとの思いから名付けた。障害者が作家とブースを並べて活動する過程を通して、いずれは作り方を実演したりお客に教えたりできるようになればいい。そして、商品だけでなく自分そのものにも自信を持つようになってほしい|。そう考えている。

「協力の輪」が徐々に広がる

イベントを初めて開いてから約3カ月。徐々にだが、協力の輪も広がり始めた。松本市波田の障害者就労支援施設「にほ」は、遠山さんの声掛けで、次回11月3日のサロンに出店する予定。紙製のテープ「エコクラフト」で作るバッグなどを販売しようと製作を進めている。
「にほ」は、波田の商店や、清掃などの仕事の請負を通じて関係のある同市の梓川、安曇の企業など3カ所で商品を委託販売している。だが、利用者が客に直接接して販売する機会は少ない。
同施設サービス管理責任者の中村公樹さんは「販路の開拓が難しく、販売イベントはありがたい。施設利用者が実際に商品が売れるのを見るのは、励みになると思う」と楽しみにしている。
次回、こけ玉を販売したり、作り方のワークショップなどを開く「鷲澤商店」の鷲澤久さん(安曇野市穂高)は3度目の出店。知り合いの作家に誘われたのをきっかけにサロンに参加し、「障害者を支援している人も、支援を受けている障害者も自分の身近にいる。協力したい」と言う。
ほかに、コムハウスが菓子や入浴剤などを販売。ロビーでは、障害がある子どものダンスチームで松本市を拠点に活動する「スーパーボーイズ」が演技を披露する予定だ。
ブースは6つあり、毎回、就労支援3施設と作家3人に出店してもらうのが目標。1ブースの出店料は800円。施設については障害者と職員の最低2人の参加を求めている。出店の申し込みは遠山さんへ。
(田原利加子)


投稿者: mgpress