「タピオカ」ブームの行方は 松本の4専門店 安曇野の先行店

今年流行したタピオカドリンク。松本駅周辺にも専門店が相次いで出店し、若者らの列ができた。ブームも一息ついた感がある中、今夏に松本市中心市街地に出店した4専門店と、安曇野市の先行店に、今後の戦略などを聞いてみた。

一つ星和食店と共同開発商品も

【Tapilab(タピラボ)】(中央1)
地方でのチェーン店展開を目指し、「ほどよい都会感」という松本にリサーチも兼ねて出した1号店。「松本はお客さんの年代が幅広い」と、運営するワークラボ(諏訪市)の佐藤梓奈社長(36)。
小さな子どもも飲めるノンカフェイン飲料もメニューに取り入れた。「ミシュランガイド」一つ星の都内の和食店と共同開発する商品を投入予定という。
クーポン配信などの広告宣伝ができる「LINE@(ラインアット)」の登録者も約3000人に達した。
午前11時~午後9時半。定休日なし。

季節に合わせた温かいメニュー

【TPO505】(中央3)
店の壁に描かれた大きなタピオカのイラストが目を引く。切り盛りするのは、大阪府出身で仙台市内で会社員をしていた吉田優太店長(25)。「専門店がないと聞いて」松本に出店した。「でも今はずいぶんありますね」と苦笑いする。
タピオカは自身が本場の台湾に出向いて研究している。これからの季節に向け、温かいメニューや、タピオカと豆腐を一緒に食べるフィリピンのスイーツ「タホ」の商品化なども考案中。
午前10時半~午後8時。不定休。電話080・2530・6027

台湾のお茶など美容と健康にも

【茶千歳(ちゃせんさい)】(深志2)
中国や台湾を中心に世界で200店以上展開する人気店のフランチャイズ。店主は、中国出身で松本で暮らしたこともある釣谷政年さん(28)。自身の店は東京・新宿店に続き2店目になる。
「美容と健康によい台湾の食文化を知ってほしい」と、台湾のお茶やビタミンCを多く含むドラゴンフルーツのスムージーなどを取り入れた。チーズホイップのトッピングなどでも違いを打ち出す。他地域の人気商品も投入するなど、チェーン店ならではの戦略も。
午前10時~午後9時すぎ。定休日なし。

地元の果物使い新商品に加えて

【PANDATEA】(中央1)
東京・西荻窪の人気店のフランチャイズで松本が2店目。抹茶ラテやストロベリーラテのほか、台湾スイーツの定番「仙草ゼリー」を使ったトッピングなどが人気だ。
県内を中心に中華料理15店を経営する合同会社「金林」が運営する。オーナーは同社の上村偉社長(40、安曇野市穂高)。同じ中国出身の学生が西荻窪の本店を開くのを手伝った縁で松本に店を設けた。「今後は地元の果物を使った商品も加えたい」という。
午前11時~午後8時。定休日なし。電話0263・88・3886

「冬場の対策」にクレープなども

松本駅前の専門店ラッシュに先立ち、今年4月に営業を始めたリトルキーヤ(安曇野市穂高)スタッフの島友理奈さん(31)は「専門店と名乗ると品ぞろえが難しい。冬場対策と合わせて(動きを)注目している」と話す。
タピオカドリンク以外のメニューもそろえる同店。夏場は混雑したものの、秋になって客足はやや落ち着いたという。冬に向けてクレープなど温かい新商品を加える予定。11月中旬から2週間ほど店を閉めて準備する。
午前11時~午後6時。不定休。電話090・4529・1118

やり方次第で「定着」もある
松大 白戸教授に聞く

地方のマーケティングに詳しい松本大総合経営学部の白戸洋教授(コミュニティ・ビジネス)に、松本のタピオカブームの行方を聞いた。

古くから粉文化がある信州では、キャッサバ芋を乾燥して作る「粉物」の一種であるタピオカは、食材として年代を問わず人を引き付ける。松本の人は新しい物が好き。「まずは話の種に」という人も多いかもしれないが、やり方次第で定着も考えられる。
松本地方の名物「山賊焼き」は、定番の鶏の唐揚げに「地域性」が加わったもの。人は食べ物に関しては保守的な傾向があり、タピオカがこの地域に定着するかどうかは「定番+付加価値」をどう工夫するかが鍵を握るだろう。

(嶋田夕子)


投稿者: mgpress