若者の被災地支援 松本第一高・信大生・松本大 広がる輪 現場の声

台風19号の被災地支援が、松本市内の高校生や大学生の間で広がっている。千曲川の堤防が決壊して浸水した長野市の津野や穂保などで家屋やリンゴ畑の泥出し、屋内外の片付けなどに奮闘。ボランティアで活動した若者たちに、参加した理由や現地で感じたことなどを聞いた。

松本第一高
泥出し「まだ足りない」

普通科学術探究コースの1年3組と、ハンドボール部員の計18人が発災8日後の10月20日、長野市へ。同組の倉科彩香さん(15)と大和彩乃さん(16)、同部主将の2年生・曽根原匠(しょう)さん(16)によると、報道で被害の大きさを知り、担任教諭や部活動のコーチの勧めもあり、「困っている人を助けたい」と学校のバスで現地へ向かった。
重い泥をすくって運ぶなどの作業は思った以上に重労働で、運動部の曽根原さんでも「きつかった」。それでも、連日の作業で自身も疲れているはずの70代くらいの家主が、感謝の言葉を掛けてくれるなど「気遣いがうれしかった」。
活動は1日だけの予定だったが、倉科さんと大和さんは「まだ足りない、また行きたい」と同級生に呼び掛けた。大会を控えたハンドボール部は参加できなかったが、約20人が同27日に再び現地へ。「半年後をめどに再開したい」という内科医院の片付けをしたが、倉科さんは「もっと時間がかかるのでは」と心配している。

信州大・永井さん
女性の力ボランティアに

◇信州大教育学部1年・永井ルナさん(18)
坂城町出身。10月20日に友人と2人で長野市へボランティアに出向いた。電車で往復1500円、長靴なども買い、「運賃が無料になるなど、金銭的な負担が少なければ学生も参加しやすい」と感じたという。
自身が目にした範囲で、ボランティアのうち女性は1割ほど。力仕事は多いが「女性でも十分力になる」と感じ、今月末に友人と再び現地に赴く。「将来は教師になりたい」といい、まだ自分の学校に通えない子どもたちが、1日も早く元の生活に戻れることを願っている。

松本大
「地域密着型」の活動を

11月22日までの一般のボランティアが少ない平日、大学として計10回の予定で学生を派遣している。参加した学生に「活動証明書」を発行し、欠席した授業の扱いは、担当教員の判断にゆだねている。
東日本大震災の被災地で7年間、学生とともに支援活動した総合経営学部の尻無浜(しりなしはま)博幸教授(55)が経験を元に、津野にある民家を拠点に周辺へ支援を広げる「地域密着型」の活動を展開。
その日の状況に応じて各地に人員を割り振る、市災害ボランティアセンターを通じた支援とは別の手法。尻無浜教授は「継続的な支援ができ、ニーズが見え、お互いに計画が立てやすく、地元の情報も入る」と利点を話す。
防災士の資格を持つ同学部観光ホスピタリティ学科2年の藤田達也さん(19)は「知識を役立てたい」とこれまで3回参加。「力仕事が多く、体力がある若い力が必要」と感じたといい、ボランティアができるか不安に思う人には「無理をせず、自分にできることをすればいい」と助言する。
当初10人ほどだった学生の参加は、今月8日には約80人まで増えた。藤田さんは「支援は人と人とのつながり、信頼関係が大切と感じた」と話す。

(嶋田夕子)


投稿者: mgpress