【ガンズリポート】全国リーグへ闘志 U─18北信越リーグ初の昇格

高円宮杯U─18プリンスリーグ(L)北信越への来季参入を懸けたプレーオフは23日、昇格決定戦を石川県七尾市の能登島グラウンドで行い、今季県リーグ1位の山雅U―18が帝京長岡高2nd(新潟2位)を延長の末3─1で破り、4度目の挑戦で初の昇格を決めた。
前後半45分ずつ。短いパスをつなぐ相手に、山雅は高い位置から積極的にプレスをかけて20分、右クロスに合わせたMF樋口大輝(松商学園3)のヘディングシュートの跳ね返りを、MF田中一成(松本筑摩3)が蹴り込み先制した。
しかし、その後は相手がロングボールや手数をかけないカウンターを織り交ぜ、山雅は自陣でプレーする時間が長くなり、終了間際の後半43分、自陣ペナルティーエリア外の左で与えたFKから失点。勝負は前後半10分ずつの延長へ。
山雅は足がつる選手を出しながらも、技量が高い相手に足を止めずに対抗。延長後半2分、DF松﨑生真(松商3)の右クロスをMF竹内瑛亮(松本工3)が頭で合わせて勝ち越し、2分後に中央を突破したMF本多涼祐(松本美須々ケ丘3)のパスを、左から走り込んだMF松村巌(松商2)が受けて決めた。
参入プレーオフは5県L今季上位の8チーム(県勢は山雅のみ)がトーナメントで争い、2チームが来季昇格。決定戦もう1試合はツエーゲン金沢U―18(石川2位)が日本文理高(新潟1位)を延長の末1―0で破った。

プリンスリーグは、プレミア(全国)リーグの1段階下の地域リーグ。山雅U─18は来季ようやく、Jクラブの育成組織に最低限必要といえる、同年代のJ下部チームや強豪高と試合を重ねながら選手を育てる機会を手に入れる。「自分たちの代で、新しい扉を開けることができてうれしい」と、1年生の時から参入戦のピッチに立ち続けてきた主将の樋口は感慨深げだ。
U―18は、当時北信越Lの社会人チームだった山雅が、本格的にJリーグ入りを目指す前の2003年に発足。しかし、高校サッカーが主流の県内では、才能がある選手の選択肢に入らず、強化が進まなかった。
トップチームが初めてJ1で戦った15年に1年で降格したのを受け、育成組織強化の必要を痛感したクラブは翌年、「育成元年」をうたい、組織再編やスタッフ拡充など指導体制を強化。同年秋のJユース選手権で4強入り、県L1部昇格初年で優勝も果たしたが、以降は全国大会で大きな戦績を残せず、県Lも3連覇しながら北信越参入戦で跳ね返され続けていた。
山雅の育成組織出身のプロ選手は、いったん大学に進んで実績を挙げ、契約を果たした21歳の小松蓮(今季はJ2金沢へ期限付き移籍中)だけ。U―18からトップに直接昇格した選手はいまだにおらず、「プロの継続的な輩出」という使命を果たせていない。
J2水戸のトップチームを率いた経験があり、就任初年で昇格を決めた西ケ谷隆之監督(46)は、来季もU―18を指導するかは未定としつつ、「Jクラブの下部である以上、照準は北信越ではない。プロで通用する選手を輩出するために、全てをトップチームに近付けなければ」ときっぱり。
3点目を挙げた2年生の松村は「上級生がしっかり結果を残してくれた。自分たちの代で降格させないのはもちろん、全国リーグ昇格を狙って戦う」と闘志を燃やす。

○…田中(先制点)「跳ね返りがいい位置に来たので、決めるだけだった。同点にされても、自分たちは走力に自信があり、延長なら分があると思った」
○…竹内瑛(勝ち越し点)「自分が与えたFKから失点したので、取り返さなくてはと思っていた。(1年時に経験したトップチーム登録を含め)高いレベルの環境に身を置くことは、全てがプラスになる。後輩たちが強い相手と戦える環境をつくれたのは誇り」

(長岩将弘)


投稿者: mgpress