【マッチレビュー】 33節・G大阪4-11山雅(30日・パナソニックスタジアム吹田)今季象徴「決め切れず、守り切れず」

試合終了直後、反町監督はピッチ上で円陣を組んだ。90分間全力で戦った選手たちに「今季17位以下が確定」と報告する無念さは、筆舌に尽くし難いだろう。しかし、この現実は受け入れなければならない。山雅は、開幕前に自らに課した「J1残留」というミッションを達成できなかった。
堅守で無失点の時間を長くし、相手を焦らせることで自分たちのリズムをつくる山雅にとって、早い時間に先制される試合が続いたのは、修正すべき点の一つだった。しかし、この試合も前半11分に先制を許す。
G大阪のMF小野瀬のゴールは確かに「スーパーなシュート」(橋内)だったが、その後も踏ん張り切れない。30分と45分に加点され、「自分たちがしっかりした組織をつくっていても、相手にはそこで剥がせる個の能力があった」と、橋内も唇をかむしかなかった。
勝ち点3を得るのは難しくなったが、それでも山雅は気持ちを入れ直し、後半開始直後から攻勢を仕掛けてチャンスをつくった。しかし、ゴールネットを揺らすことはできず、逆に13分にFWアデミウソンに4点目を許してしまう。終了間際にイズマのクロスを水本がダイレクトで決めて一矢報いたが、反撃もそこまで。
スコアだけみれば完敗だが、シュートや決定機の数に大きな違いはなかった。永井が「そこまで多くのチャンスをつくられたわけではないが、4失点に“質の差”を感じた」と振り返るように、ゴール前での精度の高さは、相手が上回った。
健闘しても決め切れず守り切れず、勝ち星を逃す。まるで今季の戦いを象徴するかのような試合で、2度目のJ2降格が決まった。
この日、名古屋に勝利しながら共に降格が決まった磐田にも抜かれ、最下位に落ちた山雅だが、まだ湘南とのホーム最終戦(7日午後2時開始)が残っている。サンプロアルウィンでは4月20日の鳥栖戦以降、白星がない。最後まで諦めずに戦う「山雅のサッカー」を見せてほしい。
(フリーライター多岐太宿)

地元PV大画面に声援
松本2会場で願い届かず肩落とす

G大阪戦(11月30日)は山雅のファン・サポーター約2000人が敵地に駆け付けたほか、松本市内2会場でもパブリックビューイング(PV)が行われ、大勢の人が映像を見ながら声援を送った。松本駅前のアルピコプラザでは用意した100席が満席になり、立ち見が出るほどだったが、J1残留の願いは届かなかった。
動画配信サービスDAZN(ダゾーン)のトラブルで、大画面に試合の映像が映ったのは、山雅が先制点を奪われた後の前半20分過ぎ。その後も2点を追加され、会場は重苦しい雰囲気に。
後半開始前、わずかな希望を信じる観客は、アルピコホールディングスが先着100人に配った「必勝」と書かれたオリジナル手ぬぐいを鉢巻きにするなどして気合を入れ直したが、山雅は終了間際に1点を返すのがやっと。残留を争う湘南が広島に勝ち、山雅の来季J2降格が決まると、肩を落として早足に会場を後にした。
観戦した横林沙知さん(42、松本市両島)は「ショックしかない。顔を洗ってゼロから出直してほしい。(応援も)本当のサポーターだったら、もっと厳しく見たほうがいい」。古川巧一さん(56、安曇野市豊科)は「地元に応援するチームがあるのは幸せなこと。降格しても変わらず応援したい」と話した。
(浜秋彦)

反町監督進退明言せず
降格決定から一夜「最後まで全力尽くす」

来季のJ2降格が決まったG大阪戦の翌1日、山雅は松本市かりがねサッカー場で出場メンバーは疲労回復のための運動、控え組は練習試合を行った。反町監督は自身の進退について「一般論だが、チームが迷走しないためにも、早く結論を出した方がいい」としながらも「まだ頭の中が真っ白」と明言しなかった。
反町監督は「今節で(降格決定の)可能性があった以上、ある程度覚悟はしていた。青天のへきれきというわけではない」としつつ、「(27節で首位だったF東京と引き分けるなど)いい流れをつくりかけてはいた。(けがで)1人でも欠けたら厳しいという心配が現実になった」と、最終盤に盛り返せなかった無念さもにじませた。
また、最終節のホーム試合が残っていることを挙げ「まだJ1の舞台で戦っている。相手(湘南)は無条件で残留の可能性もあり、こちらも34試合の中の1つとして、変わらず全力を尽くす」と強調した。

かりがねに200人「つらい」「残念」

練習試合はファン・サポーターら約200人が観戦。同サッカー場近くに住む渡部千賀子さん(南浅間)は「勝負の世界。白黒、明暗がつくのは仕方ない」としつつ、「自分の子どもや、それより若い選手たちの頑張りを見てきた。(降格は)心情的につらい」と選手を思いやった。
洞澤和彦さん(73、安曇野市三郷)は「シーズンを通じ、個の力の差を感じる場面が多かった。分析や戦術が優れていても、それをJ1で表現し切れなかった印象」と残念がったが、「来年、もう一度(J2で)優勝する楽しみができた。最終戦は落ち込まず、選手に楽しくサッカーをしてほしい。われわれも楽しんで終わりたい」と切り替えていた。
(長岩将弘)


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