若者たちが塩尻で映画撮影

若手映画監督・西本さん「BeHereNow」 塩尻市内で撮影
夢追う息子父も支援

ご近所さんらエキストラで協力

11月27日~12月4日に塩尻市内でコメディー映画「BeHereNow」の撮影が行われた。監督は、兵庫県出身の西本達哉さん(25)。18年の「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」オフシアター部門で入選し、今年4月は「沖縄国際映画祭」クリエイターズ・ファクトリーU―25部門でグランプリを受賞した。今回は、来年の沖縄国際映画祭でプレミア上映される作品の撮影だ。

照明の永原さん実家撮影場所に

11月30日の撮影現場は照明スタッフを務める永原大裕さん(24)の実家。自宅での葬儀シーンでは、永原さんの父、久利さん(61)や近隣住民、葬祭業の塩尻造花(堀ノ内)社員もエキストラで出演。若者らが取り組む映画作りを、市民が支えた。
西本監督と大裕さんは、映画監督を目指す若者らが集まる映画美学校(東京)フィクション・コースで共に学んだ同期。ロケ先の選定時、同じく同期で塩尻市周辺を何度か訪れたことがある制作スタッフの鹿島遼太さん(27)が、大裕さんの地元を提案。都内と全く違う風景や空気感があり、西本監督の地元にも似ていることなどから、塩尻でのロケが決まった。
相談を受けた久利さんは、同市広丘高出の自宅母屋を撮影場所やスタッフの滞在先に提供。ほかの撮影場所も手配した。久利さんの知人で塩尻造花に勤める竹折直久さん(68)に声を掛けたところ、「友引の日なら」と同社も協力。祭壇の設営や作法などを指南し、霊きゅう車の運転手役でも出演した。
久利さんは、近所の人にもエキストラ参加を依頼。その1人、永原かずえさん(68)は「一度やってみたかったから、すぐ手を挙げた。(大裕さんが)こういう仕事をしてるのは知らなかったけど、おかげでよい体験ができた」。

仲間と頑張る姿「うらやましい」

映画監督志望で学び始めても、途中でカメラマンや録音などの技術系に進む人も多いという。大裕さんも照明の仕事に魅力を覚え、フリーで照明の仕事をしつつ自作映画の企画も立て、「ゆくゆくは自分の作品を撮りたい」と話す。
「お金がなくて大変だし、危なっかしい気もするが、夢を持って頑張っている。協力できることはしてあげたい」と久利さん。間近で見る大裕さんの仕事ぶりに「引っ込み思案なところがあったが、どんどん動いて頼もしく感じた。夢を持って一緒にやる仲間たちはチームみたいで、うらやましい気もするね」と顔をほころばせた。
映画は、友人の訃報で帰省した関西出身の男性が、実は彼から嫌われていたと知り、理由などを探して動きだす|という筋書き。プレミア上映後、各映画祭に出品を予定する。
大裕さんは「外から来た撮影を受け入れてくれるし、みんな協力的。これまで気付かなかった地元の良さが改めて見えた」。西本監督は「東京で同じような撮影場所を探し、一般の人に協力してもらうことはできない。よい映画を撮って塩尻の人たちに恩返しがしたいし、いろんな映画祭を回り、塩尻でも上映できればうれしい」と話している。

(上條香代)


投稿者: mgpress