藤森病・整形外科部長上條哲医師に聞くー「巻き爪」「陥入爪」の予防と治療

の親指に多く発症する、爪の両端の先端部が、強く内側に湾曲した状態になる「巻き爪」。放っておくと爪が皮膚に刺さり、痛みや炎症を引き起こす「陥入爪(かんにゅうそう)」に進行し、歩くのも困難になることも。記者も約20年前、そのつらさを経験。今でも再発の怖さがある。そこで、藤森病院(松本市中央2)の整形外科部長で、「足の外科」が専門の上條哲医師(53)に予防や治療について聞いた。

「歩き方」「爪の切り方」に注意

-巻き爪・陥入爪とは
痛みの有無にかかわらず爪が巻いた状態を「巻き爪」、爪が肉に食い込んだ状態を「陥入爪」といい、感染や爪が刺さった刺激で炎症を起こし、爪の横の肉が盛り上がる「肉芽(にくが)」ができることもあります。
-陥入爪の原因は
巻き爪が原因になることもあります。爪は元々、巻いていく性質があり、歩くことで指に一定の負荷がかかり、やや湾曲した正常な状態に保たれます。
しかし、足指をしっかり地面に着けて歩かないと、巻きが進行して爪が肉に食い込み、痛みが出ると足指をかばって浮かせた状態で歩くため、さらに巻きが進む|といった悪循環に陥ります。
もう一つは「爪の切り方」です。正しい切り方は、爪の先端が真っすぐで、全体の形が四角くなるように切ります。長さは指先より1ミリ程度長めに切ること。痛みが出ている人が、爪が肉に当たるのを嫌がって角を深く切ると、一時的には痛みが和らぎますが、伸びてきた爪が皮膚に刺さり、さらに悪化させることもあります。
-治療は
軽症の場合は、テーピングを用います。肉と爪をはがすように痛みがある側縁を起点にらせん状に巻きます。1人でも簡単にできます。痛みが和らげば歩くときに踏ん張りが利くようになるため、自然と治ります。
また金属製のクリップを爪にはめ、ばねの力で爪を矯正する方法もありますが、爪が厚かったり巻きが強かったりすると使えません。また、器具は保険適用外のため、数千円かかります。
陥入爪では、感染症があれば抗生剤を使います。その間清潔に保つことも必要。1、2週間ほどで痛みはなくなります。感染が治まっても肉芽は残るため、取り除く処置もして、1、2カ月ほどで完治します。
年間に1、2例ほどですが重症の場合、爪の両脇を切る手術もします。ただ爪を切っただけでは、また伸びて症状を繰り返してしまうので、爪の根元にある細胞も取り去り、爪が生えてこないようにします。
また、水虫が原因で巻き爪になることもあり、変形が強かったり、皮膚がまくれていたりする場合は、まず皮膚科を受診することも検討してください。

足首・膝への影響出る前に

爪という体の中では小さい部分ですが、痛いと歩き方にまで影響が出ます。かばって無理な歩き方をしているうちに足首や膝などを痛めることもあります。高齢者は、転倒につながることもあり、より注意が必要です。感染を広範囲に広げないためにも、早めの受診を心掛けてください。

(嶋田夕子)


投稿者: mgpress