闘志は内に 信州の星 御嶽海

3年ぶりの平幕も虎視眈々
攻めの姿勢「三役全員食う」

昨年の大相撲秋場所で2回目の優勝を果たし、平成、令和と二つの時代の天皇賜杯を手にした御嶽海(27、本名・大道久司、上松町出身、出羽海部屋)。大関昇進は持ち越しとなり、12日に始まる初場所は約3年ぶりに平幕で臨む。「今年は目標は公言しない」とする「信州の星」は、闘志を内に秘めて虎視眈々(たんたん)と高みを目指す。
─昨年を振り返って。
いろいろと試せた1年だった。特に2回目の優勝は最初の「なんちゃって優勝」とは違って、それを目標にして達成できた。ただ、大関に上がるには壁があると感じた。
─ 大関が懸かった九州場所で負け越したことについては。
優勝のうれしさと九州場所の負け越しの悔しさを比べたら、悔しさの方が大きい。今までの九州場所の中でも体調は一番良かった。しかし、結果は6勝止まり。7勝ならまだしも、優勝した次の場所で6勝はあってはならない成績だ。
─ 3日目のけがの影響はあったか。
自分の相撲が取れずに3連敗したが、立て直せれば2桁勝利に届いた。一瞬切れた精神状態をつなぎ合わせたつもりだったが、それができていなかった。
─ 初場所は前頭2枚目からのスタートになる。
やり直すきっかけが欲しい。ぼんやりではあるが、それはつかみかけている。心技体でいえば心と体。本場所までにしっかりと稽古をして明確にしたい。初場所で2桁勝利して三役復帰しないと。
─ いい相撲と悪い相撲に差がある。
浮き沈みが大きいのは、押し相撲の「あるある」だ。隠岐の海関や竜電関など、取りにくい相手がいるのもいけない。
─ 大関とりは。
経験者から「大関をとる」と公言するなと言われた。「ライオンが獲物を捕るときに『これから襲いに行きます』と言うか?」とも。その言葉にすごく納得した。これまでは「有言実行」が一番好きな言葉で、その通りにしてきたが、これからは、目標を聞かれたら「黙秘」です。
─ 大きな心境の変化では。
大関、さらにその上の番付に上がるのは、そのくらい大変だということを実感したからこその変化。これで、消えかけた心の火が再びともり始めた。
─ 初場所はどう戦う。
守るものはない。攻め続けられる。三役全員を「食ってやろう」という気持ちだ。入門して5年目で、半分以上の間、三役にいて、正直どこかで1回落ちた方がいいとも思っていた。平幕で大勝ちして「どこまで番付が上がるのかな」という楽しみもある。下から見上げる立場になり、飢えたライオンのような、いつもと違う目つきで挑みたい。
─ 27歳になった。結婚は。
高安関や遠藤関、北勝富士関などが結婚して「いいな」とは思うが、自分は納得のいく成績を残してからだと思っている。
─ 今年はどういう年にしたいか。
昨年は自分の成績もそうだし、松本山雅FCもJ2に降格した。そして大きな災害もあった。今年は東京五輪の年でいろんなスポーツが目立ってくる。そんな中でも「長野県はやっぱり相撲」と言われるように頑張らないと。いつも多くの人から元気をもらっているばかりなので、元気を与えたい。初場所からエンジン全開でいく。
(浜秋彦)