2020.11.19 日本地域情報コンテンツ大賞・タブロイド部門で2年連続優秀賞

皮フ科わくいクリニック・涌井史典院長に聞く ― かゆい!突っ張る!乾燥肌を防ぐには?

38歳の時から、冬になると乾燥肌に悩まされるようになった。体中がかゆくなり、保湿剤が欠かせないし、入浴後や洗顔後には顔が突っ張る。何が原因なのか、予防のすべはあるのか。東洋医学を取り入れた「皮フ科わくいクリニック」(塩尻市大門)の涌井史典院長(58)に話を聞いた。

食事見直し血の巡りをよく

─乾燥肌はなぜ起こるのでしょう
皮膚の表面には水と油でできた膜(バリアー)があり、外部の刺激から肌を守っています。この水と油が不足してバリアーが壊れた状態を乾燥肌といいます。
この水と油は年齢とともに減る傾向にありますし、秋や冬など空気が乾燥した時季は乾燥肌になりやすいのです。
乾燥肌の根本的な原因は身体の内側の不調、特に、血の巡りの悪さ(血虚=けっきょ)にあります。貧血、目まい、立ちくらみ、冷え性、白髪や抜け毛、爪が白く割れやすい、目の疲れ、不眠、不快感、無気力などが症状としても現れることがあります。
血の巡りをよくするために、食事と生活習慣を見直し、ストレスを上手に発散させることが乾燥肌の改善につながります。
─ どのような食事がいいですか
甘いものや冷たい食べ物を控えてください。また、肉や魚、タンパク質をしっかり取ることが必要です。体を温める「陽」の食べ物を多く取ることを意識してください。根菜類や寒い地域で採れる旬のもの、豆類、ネギやタマネギ、ナッツ類、発酵食品やスパイス類などです。
一方、体を冷やす「陰」の食べ物は控えてください。牛乳、白パン、豆腐、南国の果物、マヨネーズ、ケーキ、コーヒー、緑茶などです。
こうした食事をすることで、皮膚を守る水と油が健全に作られ、肌に潤いが戻っていきます。

気負わず自分のペースで

─生活習慣で気を付けることは
睡眠をしっかり取ることと、ストレスをため込まないようにすることです。
呼吸が浅い、背中が丸くなっている、怒りっぽい、手が湿っぽい、寝付きが悪い、甘い物を欲するなど、ストレスがたまっているサインはいろいろあります。
休息はもちろん、新陳代謝を促す運動やストレッチ、老廃物を排出し心をリラックスさせてくれる入浴などが効果的です。
ただし、入浴方法は気を付けなければなりません。
合成洗剤のボディーソープとナイロンタオルで体をごしごし洗うと皮膚表面の水と油が取れてしまいます。極端な話をすれば、体は洗う必要はなく、湯船に入るだけで十分清潔は保たれます。
もし、洗う場合は、無添加の固形せっけんを使い、汚れが気になるところを手で優しく洗うようにしてください。
─薬への対応は
症状がひどいときは保湿剤やステロイド外用剤を使います。肌がかさかさしていたり、乾燥が軽くても悪くならないようにしたりするために、保湿剤を使うことも良い方法だと思います。
私が伝えたいのは、保湿剤やステロイド剤の助けを借りることも一つの方法ですが、体の自然治癒力を引き出して、強い肌にしていく努力も必要だということ。そうでないと、ずっと薬を使い続けなければならなくなります。
「頑張ろう」「こうしなければ」と気負うと、これがまたストレスになります。食事も運動も思うようにいかないのが現実です。「ほどほどに」「のんびりと」という心持ちで取り組んでいただけたらと思います。
(松尾尚久)