2020.2.10 ウェブサイトをリニューアルしました

ワインの知識で世界を広げ 松本の小林さん検定講師で活躍

基礎的な知識を身に付け、豊かなワインライフを楽しみたい愛好者たちが挑む日本ソムリエ協会主催の「J.S.Aワイン検定」。松本市宮田の会社員、小林ゆかりさん(53)は、その講師を務めている。
ワイン探求のきっかけは、ワインの奥深さを描いた人気漫画「神の雫(しずく)」(原作・亜樹直、作画・オキモト・シュウ)だった。ワインを知れば知るほど、その魅力にはまった。愛好家向けに同協会が認定する「ワインエキスパート」に合格し昨年、講師としてデビューした。
ワインを学んだことでいろいろな人と知り合い、絆が生まれた。「検定には正解があるがワインの楽しみ方に決まった正解はない」と小林さん。ワインから広がる世界を、より多くの人に体験してもらいたいと願う。

これからも「神の雫」を探しに

松本市のレストランで開いていたワインセミナーに、小林ゆかりさんが通い始めたのは10年ほど前。「同じワインでも使うグラスにより違う味になる」。セミナーでの体験は新鮮な驚きだった。「安いワインでも、いいグラスで飲むとおいしく感じる。逆に、いいワインを残念なグラスで飲むと…」
セミナーに参加した後、いろいろなワイン会に顔を出した。そのうち「せっかく話を聞いても、いいワインを飲んでも、結局ただの酔っ払い。何も実になっていないな」との思いにとらわれた。
きちんと勉強したくても、東京のようなワインスクールはない。本を読んでもなかなか頭に入らない。もやもやしていた時、ワイン検定の存在を知った。ブロンズクラス、シルバークラスとステップアップ。知れば知るほど、面白くなった。
次の目標はエキスパートの認定。「無謀かと思ったが、年齢を考えると今しかない」。そう思って挑戦した。筆記の1次は無事合格。だが、2次のテイスティングでつまづいた。「テイスティングをきっちり勉強したことはなかった。きちんと学びたい」。東京のワインスクールに通い、舌を磨いた。「同じ品種でも産地によって味が違う。すごいなあと思いました」
色は?香りは?味は?今まではただ飲んでいたワインを、じっくり見るようになった。「飲む前に、どんなワインなのか想像するのが本当に楽しくて」。ワイン検定を受ける際に教わった講師に感銘を受け、自身も講師になることを目標に加えた。
ワイン検定は受講と筆記試験がセットになっている。昨年の検定で、小林さんの「教え子」の合格率は、ブロンズ、シルバーとも100%。全国で966人が受検したシルバーでは長野県内の受検生45人のうち14人が小林さんの教え子だった。
そのうちの1人、逢沢孝門さん(40、同市里山辺)は「体験と知識を合わせて勉強でき、とても分かりやすかった」。同じく折井直枝さん(同市大手5)は「知識が増えることで、ワインとの出合いをより楽しめるようになった。アドバイスもとても丁寧だった」と話す。
今月19日、同市大手2の「ワインカフェSarto(サルト)」で、シルバークラスに合格した小林さんの教え子たちが集まり、名刺の交換会と持ち寄りワイン会を開いた。「お薦めデイリーコスパ(コストパフォーマンス=費用対効果)ワイン」をテーマに、各自、持ち寄ったワインの産地や特長などを説明。参加者は、ワイン知識の引き出しを増やそうと、色や香りを確かめ、ゆっくりと口に運んだ。
小林さんの好みは、ピノ・ノワール種のブドウで造られた赤ワイン。その一つ、フランス・ブルゴーニュ地方の「ジュヴレ・シャンベルタン」を憧れのワインに挙げ、「いつかは飲んでみたい」と話す。
検定を通じて目覚めたワインの世界。自分にとっての「神の雫」を探す旅はこれからも続く。

メモ
【J.S.Aワイン検定】今年の日程は、ブロンズクラスが4月4、5日(申し込み2月8日~3月8日)、6月20、21日(同4月29~5月28日)、9月16、17日(同7月22日~8月21日)の6回。受検料は1万1000円(テキスト代、講習料含む)。シルバークラスは11月28、29日の2回。受検料は1万5000円(同)申し込みは公式サイト(「ワイン検定」で検索)から。

(八代けい子)