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【講演会聞きどころ】学都松本推進協議会長・鈴岡さん 五輪の目的いま一度考えて

松本市教育委員会と学都松本推進協議会が開く「学都松本・教育100年を語る会」の11回目は市第三地区公民館で開き、推進協の会長で元高校教諭の鈴岡潤一さん(69、里山辺)が「オリンピックと戦争」と題して講演した。日本代表としてマラソンで金メダルを獲得した朝鮮人の孫基禎(ソンギジョン)さんらが映る、1936年ベルリン五輪の記録映画の上映もあり、市民など40人が戦争に左右された五輪の歴史を聞いた。(1月25日)
近代オリンピックは1896年、フランスのクーベルタン男爵が「スポーツにより世界の平和を築こう」と主唱し、第1回大会をギリシャのアテネで開いた。独仏間の普仏戦争(1870~71年)で心を痛めたクーベルタンは、古代ギリシャで都市国家間の戦争をやめるため、個人参加の運動競技会を行ったことに学び、発案した。
1916年のベルリン大会は、第1次世界大戦でドイツが毒ガスを使ったという理由で中止に。32年のロサンゼルス大会では、日本は満州国代表を参加させようとしたが、「政治利用はいけない」と退けられた。
ユダヤ人などの人種差別政策をとった、ヒトラーのナチス支配下での36年ベルリン五輪は、米国の有力陸上選手らが個人的にボイコットしたり、ユダヤ人団体などがベルリン以外での開催を主張したが、通らなかった。反ナチスの国々やピカソら芸術家が「人民オリンピック」の名称で、バルセロナで抗議のスポーツ大会を計画したが、スペイン内戦が起きて軍により中止された。
40年に開催予定だった東京五輪は、満州事変や国際連盟脱退、日本軍の中国における爆撃や虐殺などが中国や欧米で報道され、反日感情の高まりなどで日本製品の不買運動などが激化。38年7月、日本は「長期戦を考慮し東京大会を取りやめる」と発表した。
今夏の東京五輪も間近。いま一度、一人一人がオリンピック憲章の第2項「オリンピズムの目的は、人間の尊厳の保持に重きを置く平和な社会の推進を目指すために、人類の調和のとれた発展にスポーツを役立てることである」を確認し、考えることが大切ではないか。
(谷田敦子)