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劇団TCアルプ試行錯誤の現場 新作「Jam」上演

日々変化する芝居の完成形は

「アリス症候群」「喉仏のようなもの」「ダムの底の話」…。ホワイトボードに幾つかのキーワードらしきものが書かれている。どうやらこれらをもとに芝居が構成されていくらしい。
Jam(ジャム)。13日から信毎メディアガーデン(松本市中央2)で上演される「劇団TCアルプ」の新作劇。創作に当たり、まずタイトルが先に「出現」したという。言葉にできないけれど確かにあるもの、それを伝えたい時の叫び声、演劇をつくりたくなる衝動。そうしたイメージを象徴している。
それをどうやって形にしていくか。試行錯誤が続く稽古場の様子は…。

専門家をゲストに見聞広め舞台反映

本番まで2週間となった1月末。松本市内の稽古場では「TCアルプ」のメンバーが机を囲み、2人1組で芝居案を披露していた。ある話では笑いが起こり、ある話では沈黙が続く…。俳優たちの発想でつくる芝居は奇想天外。そばで見ていてもわくわくする。
立ち稽古では、歯科医院の待合室が罪を犯した人たちの待合室になっていたり、モハメド・アリになりたい男と「ハムシ(羽虫)」が真剣に会話をしていたり…。シュールな設定だけれど、どこかリアル。一環したストーリーを追う作品ではなさそうだが、逆にいろいろなことを想像できそうだ。
昨年末、創作前に開いたワークショップでは、生物学などに詳しい専門家をゲストに招き、見聞を広めたという。

生活の隣に「演劇」観劇気軽なものに

出演するTCアルプの俳優陣は、まつもと市民芸術館(深志3)の芸術監督でもある串田和美さん、近藤隼さん、武居卓さん、細川貴司さん、深澤豊さん、草光純太さん、下地尚子さんの7人。構成・演出・美術を串田さんが手掛け、ゲストでバンドネオン奏者の大久保かおりさんが演奏と音楽で参加する。
まつもと市民芸術館を拠点に活動する同劇団。今回は街なかでの公演で、仕事帰りや買い物前など気軽に立ち寄れる。生活の隣に演劇があることは、松本で活動するTCアルプの挑戦でもあるという。
「TCアルプの一つの底力として他にはできないことを今度もやりたい。寒い時季に松本には演劇があるよって思ってもらえたらうれしい」と串田さん。

上演に向けて日々、変化していく芝居の内容。メンバーが「Jam」のイメージからそれぞれやりたいことを考え、エピソードや台本を持ち寄って発表、形にしていく。まさに“芝居は生き物”を地でいくスタイル。えたいの知れない演劇「Jam」は、TCアルプの「正体」そのものなのだ。

【公演情報】13~21日の9日間で12公演。13、14、18、19日午後7時、15日午後1時と5時、16、21日午後1時、17、20日午後1時と7時。全席自由。前売り一般3500円、学生1500円(小学生以上)。当日は500円増し。信毎メディアガーデン1階まちなか情報局などで販売。信濃毎日新聞社主催。問い合わせは、まちなか情報局電話32・1150
(井出順子)