2020.2.10 ウェブサイトをリニューアルしました

さまざまな交流チャレンジの場 塩尻の貸しスペース「イベLabココカラ」

「動きたい」人のための場に

キッチンが付いた12畳ほどの一室。ある日は男性たちが黙々とプラモデルに向き合い、別の日はセミナーに若者が詰めかける。平日は会社勤めをしている人が、週末に自慢の手料理を振る舞うカフェを開くことも。
塩尻市広丘吉田の国道19号にほど近い民家を改造したスペース「イベLab(ラボ)ココカラ」。松本市で異業種交流会を開き、若い世代に働き方の変革や起業、副業の在り方などを提案している野竹聡さん(37、塩尻市)らが昨年8月、開設した。
「起業やチャレンジには場が必要。気軽に使ってもらい、多くの人が知り合い、語り合えれば」。何かやりたい、一歩を踏み出したいという人たちが、ここから起こるケミストリー(化学反応)に期待し、きょうも集まる。

「やってみたい」
すぐ実践できる

日曜の朝9時半にもかかわらず、20~40代の男女6人が次々と集まってきた。
この日、塩尻市広丘吉田の「イベLabココカラ」で開かれたのは、働き方改革がテーマのセミナー。講師は東京都出身で、2017年から安曇野市でゲストハウス「ともさんち」を経営しながら、フリーのエンジニアとしても活動する村上智彦さん(36)。会社員時代からフリーになるために計画的に勉強や仕事の経験を積んだり、生きる場所を探して全国を旅したりといった過程や思いを語った。
村上さんの生き方、IT時代ならではの仕事の見つけ方やビジネスチャンスの指南、副業や働き方に関する考え方に、参加者はうなずいたり驚いたり。終了後も悩みや思いを打ち明けるなど、会は3時間半にも及んだ。
「ずっと一つの会社で、という生き方だけでは無理な時代。参考にしたい」と参加した安曇野市の40代男性。村上さんも「話す体験を通じて自分自身も学ばせてもらった。ココカラは『やってみたい』がすぐできる場」と笑顔を見せた。

異業種交流から
思い立って実現

ココカラは、フリーのエンジニアとイベント企画業の二足のわらじを履く、野竹聡さんが感じてきた「あったらいいな」を具現化した場所だ。
野竹さんは長野市の専門学校を卒業後、ベンチャー企業で製品開発に携わったが2年前に退職。人脈を広げようと多くの交流会に出掛け、自ら「長野Tribe(トライブ)」の名称で月1回の異業種交流会を始めた。
その交流会で多く聞かれたのが「何かを始めたくてもテナント料が高すぎて、ためらってしまう」との悩み。「ならば、お試しやチャレンジができる常設の『場』を作ろうと思い立った」という。以前はカフェとして使われていた一軒家のリビング部分を居抜きで借り、起業に向けた貸しスペースとして運営を始めた。
週末だけのカフェなどお試しで飲食業をしたい人にも対応できるよう、保健所の許可も取った。プロジェクターやホワイトボードなどの備品も増やし、少しずつ利用者のニーズに応えてきた。
これまで約30回のイベントが開かれ、常連も増えてきた。松本市の会社員、柳澤身江さんは「ココカラのイベントだから安心して来られる。参加した人たちとその後もつながっていけるのがいい」。打ち解けやすい適度な距離感や自宅のような居心地の良さを魅力として挙げる人も多い。
ここを拠点に大人の居場所づくりに乗り出した人も。小林聖知さん(34、松川村)は、昨年12月から月1、2回のペースで、初心者でも気軽にプラモデル作りが体験できる「プラモ・ビルダーズカフェ」を開いている。自身に小さな子どももいて、家では真剣にプラモデル作りに取り組めなかったが、この場を使え、さらに仲間の輪も広がった。
一方で、ココカラを軌道に乗せるには、認知度アップや集客力向上、収益の改善といった課題も多い。野竹さんは「まずは利用者を増やし、収益を上げることで安定的に場を提供したい」と話す。
ココカラにとどまらず、「何か動きたい」と悩んでいる人の動機づけになれば-と、29日に松本市内で「信州インクルージョン(=包括)・サミット」を企画。政治、IT、地域活性化、医療、障害者関連などで活動する人たちの話を聞き、100人以上が飲食しながら交流する予定だ。
利用料金は2000円(平日3時間)~。問い合わせは「長野Tribe」のホームページ、またはメールsatoshi.notake@gmail.com

(佐竹伸子)