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フルート奏者・赤羽さん ボサノバと共に子宮頸がん啓発

県内77市町村を巡る 子宮頸がん予防啓発キャラバン 

軽快なリズムのブラジル音楽「ボサノバ」の魅力と一緒に、子宮頸(けい)がんの知識も知ってほしい-。そんな思いを胸に、ボサノバフルート奏者、赤羽泉美さん(38、辰野町)が22日、山形村ミラ・フード館で無料の演奏会を開く。
栄村を皮切りに県内を巡る「子宮頸がん予防啓発信州77市町村(勝手に)キャラバン」の第2弾。赤羽さんのファンで山形村在住の古田麻由里さん(57)が同村での実行委員会を立ち上げ、実現にこぎ着けた。赤羽さんは演奏のほか、自身の手術経験なども交え、子宮頸がんの予防や早期検診の重要性などを訴える。
ブラジル音楽と子宮頸がん予防啓発活動のコラボレーション。山形村は、キャラバンの「77分の2」の舞台となる。

早期発見が重要 自ら伝えていく

赤羽泉美さんは2013年、2年ぶりに受けた検診で子宮頸がんになる前の段階の前がん病変が見つかり、手術をした経験を持つ。早期に見つかったことで回復も早く、手術翌月には社会復帰を果たした。
自身の経験を周囲に伝えると、それをきっかけに検診に行く知人も増えた。だが、がんが進行した状態で見つかり、社会復帰もままならずにつらい思いをした知人もおり「もっと多くの人に知ってもらえば、つらい思いをする人が少なくなる」と痛感したという。
15年に胆管がんで亡くなった女優の川島なお美さんが闘病中、仕事と食事を共にする機会があり、その際「がんと分かったからには伝えていきたい。一緒に頑張ろう」と声を掛けられた。訃報に接した時、「そんな言葉を掛けてもらい、約束もした。川島さんの思いをつないでいきたい」との決意も生まれたという。
その後、公民館や企業などから講師を頼まれる機会も増える中、「依頼を待つのではなく、自分から隅々を回って伝えたい」と、古里・信州の全77市町村を回るプロジェクトを発案。小学校時代の恩師が勤めている栄小学校からスタートすることになった。
5歳でピアノを、12歳でフルートを始めた赤羽さん。高校在学中に演奏活動を始め、10年ほど前に出合ったブラジル音楽のとりこなった。12年から県若手芸術家支援事業「next」のアーティストに選ばれるなど、新進気鋭のボサノバフルート奏者として注目。14年にはメジャーデビューアルバム「WHITEBOSSA」を、17年にはファーストソロアルバム「ソライロ・スコープ」もリリースしている。
ブラジル音楽には深刻さがなく明るさがあり、自身が闘病中に救われた。話だけでなく「生きるってこういう感じ」ということをリズミカルな音楽で伝えられればと思った。
栄小でのキャラバン第1弾。演奏の合間にがんについて話すと、「滅多にかからないけど、かかると死んじゃう」というイメージを持つ子が多かった。「早く見つければ治る病気」。そう話すと、表情が明るくなった。
「子どもたちにちゃんと伝わったのがうれしい。今後も学校、企業、仲間うちのサークルなど規模の大小にかかわらず、全市町村を回る。場所や対象によってアプローチは変わると思うが、手を挙げてもらえれば」と赤羽さん。県内全域で受診率を上げ「悲しい思いをする人を、1人でも減らしたい」と話す。
子宮頸がんの検診は内診台に上がるため、ただでさえためらいがち。小さな町村だと病院の選択肢も少なく余計に行きづらい面もある。赤羽さんは「受診率を上げるには広域で自由に受診できる態勢づくりも必要」とし、行政も含めて検診の拡充につながればと願う。

22日 山形村で無料の演奏会

山形村での第2弾は午後2~4時。キャラバンを呼んだ古田麻由里さんは当初、自宅で開くアロマサロンでの実施を考えていたが、7弦ギター奏者の尾花毅さんとカバキーニョと呼ばれるブラジル弦楽器奏者のだいどうじさかえさんの共演が決まり、「もっと大勢の人に聞いてもらいたい」と会場を変更。村と村教委の後援も取り付けた。
当日、来場者に渡すパンフレットには、赤羽さん作曲の「風のステンドグラス」をイメージし、2人でブレンドしたオイルの香りをしのばせる。
子どもの来場も大歓迎。キャラバンの依頼などはメールで赤羽さん(izumi_aka@nifty.com)

(上條香代)