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【講演会聞きどころ】ITエヴァンジェリスト・若宮さん  70~80代伸び盛り挑戦を

松本市の関係12団体でつくる市生涯現役促進協議会が、おおむね55歳以上の市民を対象に開いた就労セミナーで、米アップル社から「最高齢プログラマー」と称されたITエヴァンジェリスト(情報技術の伝道者)若宮正子さん(84、神奈川県藤沢市)が講演した。若宮さんは「『単なる長寿』から『健康寿命』へ、そして『活動寿命』へ」と題して話し、約100人が聞いた。(2月12日)

3年前まで普通のおばあさんだったが、iPhone(アイフォーン)のアプリケーションを公開して海外で有名になり、今は休みなく働いている。友達が「この頃、若返ったね」って。かかりつけの医師も「健康ですね。何かやっていますか?」って。そんな暇はないけれど、“ミッション”を持って働くことが、どれだけ自分の心身にプラスになるかが分かった。
58歳でパソコンを買い、生活が大きく変わった。副会長を務めているインターネット上の老人会「メロウ倶楽部(くらぶ)」は、居場所がないシニアもバーチャル(仮想)で友達ができる。
私が考案した、表計算ソフトを使う「エクセルアート」は、マス目を塗り、けい線も色を付けると絵になる。布に印刷する技術も向上し、世界で一つのブラウスも作れる。私は創造的でありたい。人工知能(AI)の時代に、人間しか考えつかないアイデアで勝負したい。
私を一躍有名にしたゲームアプリ「hinadan」を作った理由は、年寄りが楽しめるアプリがなかったから。大事なのは「何かを作りたい」という好奇心や意欲と発想だ。
昨年6月、電子化の最先端を走るエストニアへ行き、現地で高齢者にアンケートを取った。電子サービスを84%が利用し、そのうち93%が「暮らしの役に立っている」という驚きの回答を得た。誰に教わったかは自習が最多で、次が家族だった。
今後必要なのは、高齢者の自立を助けるテクノロジー。普及にはネット環境の導入が必要だが、高齢世帯には進まないのが実情。国などが税制面で優遇措置を取るなど、もっと力を入れてもいい。70~80代はまだ伸び盛り。どうか挑戦を。
(高山佳晃)