松本山雅 新たな挑戦 J2開幕直前特集

松本山雅FCの、新たな「挑戦」が始まった。今季は23日に開幕するJ2リーグ戦と、昨季の成績からJ2勢で唯一、J1が競うYBCルヴァン・カップ(16日開幕)に参戦。天皇杯を含め、最低でも49試合の公式戦に臨む。
J2入り初年から指揮を託された山雅を、8年間で2度のJ1昇格に導いた反町康治前監督が昨季限りで辞任。後任に、選手育成の手腕に定評がある布(ぬの)啓一郎監督を迎え、12人の新戦力を加えた。
昨季は(勝利時恒例の)「勝利の街」「アルプス一万尺」をサンプロアルウィンで2、3回しか歌えず、寂しい思いをしたサポーターは「今季こそ」と、多くの白星を期待しているだろう。
ある選手は「反町さんは1から10まで指示があったが、布さんは1から3までで、残りの7は選手に考えさせる」と話す。反町前監督が「勝利を追求する戦術家」なら、高校サッカーの名将だった布監督は「勝ち方を教える教育者」ではないだろうか。
「育てながら勝つ」のは容易ではないが、若手のさらなる成長や、育成組織出身の選手がピッチで躍動する未来を信じ、声援を送り続けることが、山雅が目指す方向へと進む後押しになるはずだ。
(山岡史明)

今季の山雅はどうなる?

松本山雅FCの今季J2リーグ戦がいよいよ始まります!反町康治前監督が昨季限りで退任し、多くの主力選手がチームを離れましたが、新たに就任した布啓一郎監督の下で心機一転を図ります。

【ハードワークや守備は継承】
4バックなど独自色も

例年より準備期間が短い中、キャンプでシーズンを戦い抜く体力づくりや戦術の落とし込みなどを進め、Jチームや大学生との練習試合も行いました。反町前監督が築き上げたハードワークや組織的な守備などのスタイルは継承しつつ、田中隼磨選手を指名したキャプテン制や守備の4バック導入など、オーソドックスながら山雅では目新しい手法も取り入れています。
もちろん新体制となって日も浅く、発展途上にあるのは事実。リーグ開幕に先立ち行われた16日のルヴァンカップ・グループステージ1節では、J1のC大阪に1|4で敗れました。
それでも迫力あるサイド攻撃など収穫も見られ、チームはあくまで前向き。キャプテンの田中選手も「僕自身は手応えを感じていますし、課題を修正していきたい」とコメント。今季の山雅、まだまだ伸びしろタップリです!

【基本布陣は4-4-2】
チーム内競争激化 新戦力躍動に期待

16日のC大阪戦は4|4|2の布陣で臨んだ山雅。キャンプから取り組んできた形で、今季の基本形になりそうです。その上で、試合の展開や相手の状況により4|4|1|1や3バックなども用いると予想されます。
練習試合やルヴァン杯初戦は既存選手が目立ちましたが、新加入選手もチームに慣れてきており、楽しみなのはこれから。中でも注目は、FC東京から期限付き移籍で加わったFWジャエル選手。ブラジルの名門クラブでプレーした実力派で、屈強なフィジカルで相手DFをなぎ倒すパワフルさが持ち味です。
高い技術と積極性で攻守に存在感を示すMF鈴木雄斗選手、岐阜へ武者修行に出て一回り成長したMF塚川孝輝選手も奮闘中。ほかにも一芸を持つ新戦力が多く、これまで以上にチーム内競争は激しくなっています。

【布監督は自主性を重視】
選手がピッチ上で解決を

今季からトップチームを率いる布監督。新指揮官の言葉に、選手の自主性や、やる気を重んじる姿勢が垣間見えます。
▽ルヴァン杯初戦を振り返って。
「攻守に足りないところがあることを再確認した。もう少し選手の距離感を向上させ、間延びせずコンパクトにすることが必要。ただ選手はネガティブにならずに、最後までしっかり戦ってくれた」
▽選手に求めることは?
「どのような状況でも、選手たちがピッチ上で話し合いながら対応できるようになってほしい。おとなしい選手も若い選手もいるが、どんどん声を発してもらいたい」
▽例年以上にポジション争いが激しい。
「実力差がないチームを最低2組つくらないと、長いシーズンを戦えない。各ポジションに同レベルの選手がそろった。(起用で)私の頭を悩ましてほしい」
(フリーライター多岐太宿)