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松本県ケ丘高自然探究科2年内山さん 課題探究の発表最優秀賞に輝く

土いらずで育てられるエアープランツ。根がないのにどうやって水や養分を吸収するんだろう─。そんな素朴な疑問から動きだした探究活動だった。
自ら課題を設定し、知識を深めたり解決の道を探ったりする探究科がある松本市の松本県ケ丘高校。このほど行われた課題探究の発表会で、自然探究科2年の内山智晴さんが最優秀賞に輝いた。テーマは「エアープランツの給水のしくみの謎を解く」。
課題探究には地域の12企業が協賛し、各社が選んだ探究に賞を贈る。授業だけでなく、社会とつながった探究に|と、同窓会有志による「縣陵の学びを支援する会」が学校と企業をつないだ。自らの意欲と工夫で学びを深める活動を、卒業生や地域の企業も支える。

縣陵の学び企業も支援

課題探究は2年かけて行う。1年生で「信州学」を学び、各自が地元について研究。2年生では子育て支援、性別のバリアー、フェアトレード(発展途上国の生産者との公平な取引)、スポーツとけが、食品ロス、人工知能(AI)との共存―など、それぞれがさまざまなテーマを決め、探究を深めていく。
学校側の選定は、探究学習推進係が1、2次審査を実施。研究を要約したサマリーの1次審査で314人を80人に、スライド資料を対象にした2次審査でさらに半分に絞った。全員が参加する研究発表(3次審査)の結果を踏まえて40人の中から13人を選出。この中の上位3人が信大特別栄誉教授の遠藤守信さんらによる最終審査で代表者発表し、最優秀賞と優秀賞を受ける。
学校側は、最優秀賞に内山智晴さん、優秀賞には上條潤哉さん(自然探究科2年)、渡部日向子さん(国際探究科2年)を選び、奨励賞に10人を選出。受賞者にはそれぞれ3万円分、2万円分、3000円分の図書券や旅行券などを贈る。
内山さんは、インターネットで得た情報がよく調べたら違っていたといい、「うのみにしたら大変だった」。この研究をきっかけに「エアープランツの品種改良を手がけたい。砂漠でも植物、農作物が育つようになったらいい」と、将来の目標も見つけた。

学校の賞とは別に設けられた各企業の賞には、それぞれ10人を定員に希望者が応募。10人以上の場合は企業がサマリーで審査、研究発表会には関係者が出向いて審査し、受賞者14人を選んだ。
企業賞は、2万円分の図書券・旅行券以外に、コワーキングスペースの無料回数券(ベンチャーマインド賞=八十二キャピタル)、支店の1日見学(グローカルビジョン賞=野村證券松本支店)、都内の関連企業見学(アルプス人権賞=ITサポート銀のかささぎ)といったユニークな賞品も。
「縣陵の学びを支援する会」の担当理事、浅井俊貴さん(52)は「一人一人の可能性や独創性をまず社会が認めなくてはいけない。企業が頑張りを評価することで、生徒は勇気づけられる。意味あることだと思う」と説明。2020年度以降も継続していくとし、「1校だけでなく、松本地域の高校生を励ましたい。他企業の参加も促し、松本全体で盛り上げたい」とする。
18年度に発足した同校探究科1期生を含む2年生による初の課題探究発表会。同科主任の卯之原智也教諭(43)は「生徒の課題研究を学校の中だけでなく、世の中に少しでも還元できればいい。企業賞を通じて外部の視点も入ることで、実際の社会や社会人とつながるいい機会になれば」と話している。
(八代けい子)