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暮らし、ビジネス、学校生活を直撃 「コロナウイルスに負けるな」

松本地方の奮闘する動きは…

暮らしに、ビジネスに、学校生活に、青春の思い出づくりに、さまざまな影響を及ぼしている新型コロナウイルス。肉眼では見えない厄介な極小の「敵」が巻き起こす混乱に、やりきれない思いを抱きつつ、「負けるもんか」と奮闘する動きも目立つ。
来店が難しいならこちらから出向こう─とデリバリー(配達)やテークアウト(持ち帰り)で新たな取り組みを始めた居酒屋。教室に来なくても大丈夫なオンラインレッスンを強化した英会話教室。励ましたり連帯したりするSNS(会員制交流サイト)の開設…。
自粛ムードで飲食店の予約キャンセルが相次ぎ、「花金」の2月28日も客足がまばらだった松本地方。不安が高まる中でも下を向いてばかりいられない、たくましく乗り越えてやろう─という気概が広がる。

不安の中でもできることを

オンラインで英会話の授業

多い時には一度に10人が訪れた。しかし、新型コロナウイルス感染者が中信地方で確認されたとのニュースが流れた2月最終週は2人にとどまった。
お茶を飲みながら自由に英会話を楽しむカフェスタイルの「アフェクショネットキャッツミカ」(松本市中央3)。教室へ足を運ぶ受講生が、がくんと減った。なんとかしなければ─。そこで練った対応策が、インターネットを使ったオンラインレッスンの強化だ。学校が休校になったことも後押しした。
オンラインレッスンはこれまでもコースの一つとして設けていたが、ほとんど利用されていなかった。そこで料金体系を見直し、グループ利用(6人まで対応可)の場合は、教室で受ける授業料と同じ1人1650円(45分)に引き下げた。
「コロナウイルスに負けるな!という思いです」。オーナーの吉澤美加さん(50)は「英語を上達させるには、毎日話すことが大切。その機会が途切れてしまわないよう、オンラインを利用しやすくした」としている。

食事の宅配やテイクアウト

最も深刻な影響を受けている業種の一つが飲食店だ。
1、2月の閑散期を乗り切り、3月で挽回しようと思っていた居酒屋「満腹厨房(ちゅうぼう)だぶる」(松本市中央1)。外出自粛要請など新型コロナウイルス感染拡大に関する政府の基本方針案が明らかになった2月24日からキャンセルが出始めた。28、29日は給料日後の週末にもかかわらず、それぞれ45人、35人あった予約はすべてなくなった。
「個人の店では1カ月が勝負。慌てて銀行にも相談に行った」。危機感を抱いたオーナーの細口健さん(45)は考えた。盛り合わせのテークアウトと配達で当座をしのごう─。以前からスナックなどに出前をしていたが、一般客にも対象を広げた。
盛り合わせは1人5000円ほどの宴会と比べると利益は少ない。だが「待っていても客は来ない。焼け石に水かもしれないが、何もしないよりはいい」。宅配の要望にも応じ、現在は自転車で配達。今後はバイクを導入する予定だ。

SNSを開設口コミ広げて

人と人をつなぐイベントなどを企画している非営利の市民活動団体「地域コミュニティTsunagu─ツナグ」。主宰する大月智子さん(36、塩尻市広丘吉田)はSNSで「#(ハッシュタグ)美味(おい)しい未来プロジェクト」を展開し始めた。
外食や飲み会の自粛が広がる中、「おいしかったよ、楽しかったよ」の“口コミ”を広げ、少しでも街が活気づけば─。そんな思いで、地元の飲食店で注文した料理の写真などをフェイスブックにアップ。その投稿から、飲食店側から「常連しか来ない」「こんな状況なので、積極的に来てほしいとは言えない。こうした投稿は本当にうれしく、頑張ろうという気になる」といった書き込みやメッセージが広がった。
店へのエールを書き込んだり、助成金などの店に役立つ情報を盛り込んだり。新型コロナウイルスに関する正確な情報のシェアも呼び掛けている。「『#美味しい未来』を付けることで、検索しやすくなる」と大月さん。ハッシュタグを付けた投稿も少しずつ増えている。「過去の投稿でもいい。一人一人ができる範囲で賛同してくれたら、励ましになると思う」
(八代けい子)