2020.2.10 ウェブサイトをリニューアルしました

広丘の「島木赤彦寓居」 登録有形文化財に

国の文化審議会は19日、塩尻市広丘原新田の「島木赤彦寓居(ぐうきょ)」を登録有形文化財(建造物)に指定するよう答申した。明治・大正期のアララギ派歌人、島木赤彦(1876~1926年)が、当時の広丘村立広丘尋常高等小学校(現・広丘小学校)の校長時代に仮住まいした住居で、同市の登録有形文化財はこれで13件・19棟となる。
寓居として使われた建物は、県道294号(旧善光寺街道)に面する、太田家住宅の上座敷があった角屋(つのや)部分の木造平屋。明治前期の建造物とみられる。切り妻造りの平入りで、緩い勾配の鉄板葺(ぶ)きの屋根の東西に雀(すずめ)踊りの装飾を載せ、本棟造りに見立てている。
8畳の座敷を中心に南側は縁側、北側は板張りの式台で、面積は約42平方メートル。大地主の太田家は、何人かの校長を下宿させたようで、赤彦は同校に単身赴任した1909(明治42)年3月から2年間住んだ。
昭和30年代の改修で、西側にあった主屋は切り離して建て替えた。しかし、角屋部分は「地元の保存を求める声や、当時の当主が短歌に造詣が深かったことなどから残された」(同市)という。
所有する太田壽美さん(91)によると、東京などから文学好きの若者や学者らが見学に訪れることはしばしばあり、中には「論文を書きたい」と上がり込んだ人もいたという。太田さんは「舅(しゅうと)がそのまま残した建物。登録はうれしい。地域にずっと長く残ってほしいと思う」。
市は「広丘は“短歌の里”。より価値を高め、将来にわたって守り続けたい」とし、登録を機に市民に周知する機会を探りたいとしている。