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子どもたちの気分転換に企業が資材や遊び場提供

新型コロナウイルス感染症の広がりで、児童・生徒の中には一斉休校期間が過ぎて本来の春休みに入っても外出を控え、親がいない自宅で一日中過ごしたり、単調な遊びに飽きてストレスを抱えたりしているケースも少なくない。そんな子どもたちの気分転換にと、企業が遊び場や資材を提供する動きが松本地方で広がっている。

遊び方無限大、大きな紙提供― 藤原印刷

松本市新橋の印刷会社「藤原印刷」(藤原愛子社長)は、工場で余った「大きな紙」の無料配布を始めた。絵を描いたり、巨大な折り紙に使ったりと遊び方は無限大。「型にはまらず、とにかくでっかく、自由に使ってストレスを解消してほしい」と呼び掛ける。
本などの印刷に用いる紙の中で最大の四六判(縦1091ミリ、横788ミリ)で、上質や光沢など紙質や色はさまざま。印刷で使われなかった紙は色味の調整用に活用するが、大量に余って工場の片隅で眠っていた。
当初は使いやすい大きさにカットして配ることも考えたが、子どもがいる社員の多くが「こんな大きな紙にお絵描きさせたことはない」と、そのまま配るよう提案。数枚を1束にして提供することにした。
同社のホームページや会員制交流サイト(SNS)で配布を発信したところ、予想以上の反響があり、同社の公式ツイッターには「いいね」が約3000(20日現在)集まった。情報が広がり、配布初日の16日だけで40束近くがもらわれた。
17日に同社を訪れた同市大手4の髙橋蓮太朗君(9)、菖太朗君(7)の兄弟は「でっかい紙飛行機を作って飛ばしたり、お父さんの顔を描いたりしてみたい」。父親の亮太朗さん(43)は「とてもありがたい」と感謝した。
同社の正面玄関前(平日午前10時~午後5時)のほか、同市深志3のブックカフェ「栞日(しおりび)」(午前7時~午後8時・水曜休、℡ 0263・ 50・5967)、安曇野市穂高のカフェギャラリー「月とビスケット.」(木~土曜午前10時~午後4時、℡ 0263・ 87・7031)でも配布している。問い合わせは藤原印刷℡ 0263・ 33・5092

作業場を開放、印刷の体験も―MAGMAG

松本市県2のデザイン会社「MAGMAG(マグマグ)」は平日に限り、同社併設のシルクスクリーン作業場「マグタス」を、子どもたちの「自習室」として無料開放している。賛同した市民が、120色のペンやマスキングテープなどを提供。カードや折り紙などもあり、お絵描きや工作ができる。
本棚には社員が持ち寄った絵本や文庫本、漫画などが並び、作業場の机やいす、流し、トイレ、電源が自由に使える。飲食もでき(食事は正午と午後3時~に限る)、備え付けの電子レンジやポット、冷蔵庫が利用できる。
保護者の同意があれば、本来のシルクスクリーンの製版と印刷も体験できる(有料)。昼休みには同社スタッフが一緒に外出して交流する。
感染症対策で、スタッフが1時間半置きに換気し、手が触れる場所のアルコール消毒や次亜塩素酸水の噴霧を行うほか、利用中の体調チェックや検温、手洗いとうがいも促す。
マグタスと扉1枚隔てた隣の部屋がデザイン事務所。看護師の資格を持つ店長の大澤奈那子さん(34)をはじめ、デザイナーらが子どもたちを見守る。
大澤さんは「子どもだけで一日中過ごしたり、思うように外出できなかったりと、不安や鬱々(うつうつ)とした気持ちを抱えている子は多いはず。いつもと少し違う、安心して過ごせる居場所を提供できたら」と話す。
子どもの年齢に制限は設けず、新学期が始まるまで開放する。午前9時半~午後6時。予約制で定員10人。37度以上の熱があるときや体調が悪い子どもは利用できない。申し込みはマグタス℡0263・50・8163、メール(magtas@magmaginc.com)
(高山佳晃、松尾尚久)