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「ヘアドネーション」島田君 2年半伸ばし断髪式

小児がんの治療で頭髪を失ったり、先天性の脱毛症だったりする子どものウイッグ(かつら)を作るため、髪を寄付する「ヘアドネーション」。この活動に取り組んだ松本市の旭町小学校3年・島田樹君(9、桐)が21日、約2年半伸ばし続けた髪を切った。「早く役に立ててほしい」と願っている。

「卒業までにもう一度」

この日、美容室「ニチカ」(大手5)に島田君と両親、弟と妹の一家全員が集まり「断髪式」を挙行。寄付する髪は31センチ以上の長さが必要で、ニチカのオーナーで美容師の熊井暢子さん(37)が、島田君の髪の長さを測りながら、9本の束にまとめた。
「ちょっと寂しい」とつぶやく島田君の髪に、最初にはさみを入れたのは父の拓治さん(36)。島田君は1本目の髪の束を見詰めて笑顔に。その後は熊井さんが手際よく切り落とし、バリカンなども使って髪形を整え、りりしい短髪に仕上げた。
母の法子さん(35)は「(見た目が)男の子に戻った」と笑い、島田君は「すーすーする」と言いながら、さま変わりした自分の頭をなでた。
島田君がヘアドネーションを知ったのは1年生のころ。動画投稿サイト「ユーチューブ」で、同じ年頃の外国人の男児が取り組んでいるのを目にし、法子さんにその理由を聞いて「自分もやりたい」と決意。髪を伸ばし始めた。
2年生になり、伸びた髪をまとめるようになると、理由を知らない周囲から「女の子みたい」「気持ち悪い」とからかわれたことも。「泣いて帰ってきたこともあった」(法子さん)が、島田君は「自分で決めたことだから」と、へこたれなかった。
「すぐにやめると思っていた」という法子さんは、髪が伸びるとともに精神的にも成長する息子を頼もしく思い、拓治さんも「諦めず、よく頑張った」と目を細める。
島田君はこれからまた髪を伸ばし、小学校を卒業するときに、もう一度寄付するという。「僕のような男の子が、一緒にやってくれたらうれしい」
(浜秋彦)