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自家栽培した芋で手作りこんにゃく

コンニャクイモに野菜を混ぜて作る「とろっとろ」のこんにゃくに、もちもちした食感の「もち麦」を加えた「もちとろこんにゃく」を開発した。
大町市大町の食品製造「やさい畑のとんとん」。営むのは渡部啓二社長(71)と妻の啓子さん(64)。川崎市で食堂を経営していたが、信州野菜のおいしさに引かれて2008年に筑北村に移住、食堂を開いた。そこで、コンニャクイモをすりおろして作る「生芋こんにゃく」と出合い、そのおいしさに感動。芋を自家栽培し、手作りこんにゃくを食堂で出すようになった。
4年前に大町に移り住み、食堂をやめ、こんにゃく製造に一本化。こんにゃくを軸に、遊休農地の活用や地域産業化を図っていきたい考えだ。

野菜のこんにゃくで地産地消大町「やさい畑のとんとん」

カボチャ、黒ゴマ、パプリカ、大豆、ワサビ菜─。さまざまな野菜を使った生芋こんにゃくを作ってきた。野菜の色をそのまま生かし、黄色だったり緑だったり。刺し身やサラダなどにして生で食べると、とろっとろの食感が楽しめる。
「もちとろこんにゃく」は、食物繊維が豊富で血中コレステロールを下げる効果が期待できるヘルシー食材のもち麦を生芋こんにゃくに入れてみたら─と思い付いた。「せっかくおいしい野菜がいっぱいあるから、こんにゃくに混ぜてみよう」と発案した野菜入り生芋こんにゃくの改良版だ。もちとろこんにゃくが大好きという松本市原の宮下智愛子さんは「初めて経験する食感。素材も健康的でおいしい」と話す。

農業も製造も移住後初挑戦

農業もこんにゃく作りも筑北村に移住するまで経験がなかった。農作業で腰が痛くなったり、芋のあく抜きに苦戦したり。3年物の芋を加工するが、1、2年物も11月には畑の土から上げ、家や倉庫に保管する。
野菜と芋との相性もある。芋を蒸してからつぶす、先にすりおろすなど野菜の種類によって作り方を変える。パプリカは色を出すのが難しい、油分を含む素材は固まりにくいなど、試行錯誤を重ねながら工程を確立した。
「やさい畑のとんとん」は、啓二さんと啓子さん2人だけで切り盛りする。配送の作業などで午前2時ころから仕事をする日も少なくない。「朝早くから夜遅くまで、こんにゃくのことばかり考えている」と啓二さん。
自家栽培を始めて10年以上たち、最初は200キロだった収穫量が2トンにまで増えた。現在では、安曇野市や麻績村、筑北村の農家と契約して栽培している。野菜の種類も増えて、こんにゃく関係の商品は40種ほどになった。
こんにゃく製品の製造販売を通して「地産地消にも貢献したい」と啓二さん。こんにゃく、サラダ、揚げ物などに合うジュレも開発した。「カラダへの思いやりベジュレア」と名付け、4月に発売する予定。栄養価の高い野菜とこんにゃくをブレンドし、自然発酵させて作ったという。
「今後は希望者を募り、コンニャクイモの栽培や生芋こんにゃくの作り方などを広めていきたい」。2人の夢は膨らむ。
「もちとろこんにゃく」は280円。安曇野スイス村ハイジの里(安曇野市豊科南穂高)などで販売している。やさい畑のとんとん℡090・7174・5500
(八代けい子)