自社栽培のそば粉で純粋な「信州そば」を

耕作放棄地などを借りてソバなどを栽培する農業生産法人かまくらや(松本市島立)が、「そば処(どころ)かまくらや」を同市大手2の松本城大手門駐車場1階にオープンした。輸入もののそば粉を使わず、すべて自社で育てたソバから採ったそば粉を使用。純粋な「信州そば」を掲げ、事業展開を図る。
約100平方メートルの店内に38席を設けた。提供するのは、やや粗びきのそば粉を用いた二八そば。価格は、もりそば(並盛り)900円、とろろそば(1100円)など。
市内で自動車販売会社を経営する同法人社長の田中浩二さん(57)が、リーマンショックで売り上げが4割も落ち込んだのを受けて、サイドビジネスを模索。市内でそば製麺業を営む親友から「信州そばというが、使っているそば粉は中国産」との話を聞き、自分がそば粉を作ろうと、2009年に農業生産法人を立ち上げた。
ゼロからの出発で、当初は、耕作放棄地しか借りられなかったという。現在は安曇野市や松本市で154ヘクタールを耕作。ソバを中心に大豆、リンゴも栽培している。ソバは二期作(7、10月収穫)で昨年度は玄ソバ219・5トンを生産した。
17年には乾麺や「そばかりんとう」などオリジナル商品を販売する直営店をオープン。松本市立博物館の移転・新築を見据え、今月24日、そば店を新博物館予定地の向かいに開店した。そば打ちは「そば道場」で講師を務めた経歴のある新井忠好さん(66)が腕を振るう。
「観光客にもおいしいと言ってもらえる店にし、慣れてきたらメニューも増やしたい」と田中さん。農業(第1次産業)から、加工(第2次産業)、販売(第3次産業)まで手掛ける「6次産業」として、さらに発展させていきたい考えだ。
「そば処かまくらや」は午前11時~午後4時。火曜定休。℡0263・50・4120
(八代けい子)