地域に見守られ挑戦続く 学生店長・斉藤さん

松本市役所に近い夜の下馬出し通り。「喫茶木下」(大手4)の明かりに誘われ店に入ると「いらっしゃいませ」と若い男性が迎えてくれた。信州大理学部2年の斉藤央岳さん(20)。ソーシャルビジネスを志す斉藤さんの熱意を受け、オーナーが夜の部の店長として抜てきした。
斉藤店長による夜間営業は2月5日に始まった。コーヒー、軽食のほか、地ビールやカクテル、唐揚げなどのつまみ類、さらに“シメパフェ”などがメニューに並ぶ。
「サワー100円引き」といった情報は随時、会員制交流サイト(SNS)で発信。今のところ客の8割は友人で、集客の難しさを実感しつつ「簡単ならやらない。いろいろ考えて工夫するのが楽しい」と話す。
斉藤さんは千葉市出身。中学校の修学旅行で松本城などを訪れ、「住んでみたい」と信大へ進学した。
「喫茶木下」は居酒屋など5店舗からなる「ひがしまち横丁」の1店舗。同横丁は、建築会社の木下工房(島内)が創業60周年を記念し、若手の起業支援を視野に入れて取り組む事業だ。
斉藤さんは信大軟式野球部の飲み会で、同横丁の居酒屋「やまの蔵」を利用した際、店主の川手和磨さん(36)に「何か新しいことをやってみたい」と気持ちをぶつけた。受け止めた川手さんがオーナーに掛け合い、昼だけだった喫茶店の、夜の営業を任された。
店長の仕事をしながらメニュー開発や集客方法を試行錯誤。4月以降、店で学生向けのビジネスセミナーを開く構想も練っている。「常に考え、行動することでビジョンができる」と、指導役でもある川手さん。昼の客が斉藤さんを気に掛けて夜に来店することも。「地域の温かさを感じている」。学都の人々に見守られ、斉藤さんの挑戦は続く。
夜営業は午後6時~午前0時。昼は午前10時~午後4時。日曜定休。℡0263・87・8858
(井出順子)