安曇野出身の髙橋さん小説「神の名前」を出版

安曇野市穂高出身のフリーライター髙橋克典さん(67、東京都)は、小説「神の名前」を未知谷(東京都)から出した。自分史を信州の方言でつづり、そこに自作の短編小説を組み込んだ小説内小説の手法で展開。3年ほどかけてまとめ、「これまでの集大成」と位置づける。
「伝言」「歌う人」など5章で構成する。表現者としての夢を捨て切れず、東京と古里の安曇野を行ったり来たりしながら老いていく男性と、その家族の絆を題材にした作品。上野公園でホームレスに行った炊き出しや、歯科医だった父が集めた金冠を換金した話など自身の体験に、これまで同人誌などに掲載した「アナスタシアとドリゼラ」など自作の小説を混ぜ込んだ。
信州方言を使ったのは、方言の持つ表現力をどこまで小説に生かせるか、確かめるためという。
髙橋さんは高校2年の時、庄司薫さんの小説「赤ずきんちゃん気をつけて」を読み、小説家になろうと決意。一度は父の後を継ごうと松本歯科大に入ったが、中退して上京。鉄道会社や行政の広報誌に小説を連載するなどしている。小説「お月見横丁のトラ」、ルポルタージュ「信州蕎麦(そば)と温泉めぐり」などの著書がある。
髙橋さんは「同人誌に掲載したまま置き去りにしてあった作品をまとめた。昔の作品を振り返るいい機会になった」と話した。
四六判、192ページ。2200円。未知谷℡03・5281・3751
(八代けい子)