コロナウイルス早期終息を 妖怪「アマビエ」に願い込め

見えない敵妖怪パワーに託し
松本平の「アマビエ」を追う

早く疫病が収まってほしいとの願いを込めて、江戸時代の瓦版に描かれた妖怪「アマビエ」。肥後(現在の熊本)に「病がはやったら私の写し絵を人々に見せよ」と告げ消えたとの言い伝えがある。
期せずして「現代の瓦版」にもアマビエが復活した。新聞やテレビのほか、SNS(会員制交流サイト)でも「アマビエチャレンジ」というハッシュタグで、アマビエの絵の投稿が増えている。
終わりがなかなか見えない新型コロナウイルス禍に際し、何か超自然的なものに頼りたくなるのは令和の現代も同じ。松本地方でもアマビエをかたどったパンや、お守り代わりのキーホルダーなどがお目見えした。
息苦しい新型コロナウイルス禍を何とか終わらせたい|。そんな願いが込められた松本平の「アマビエ」を追った。

姿をかたどったパンが連日完売 ブエナビスタ

ホテルブエナビスタ(松本市本庄1)は、アマビエをかたどったメロンパン「アマビエパン」を作って販売を始めた。アマビエの髪を竹炭パウダーで黒く表現した。
西洋料理ベーカリー厨房(ちゅうぼう)の金子信也さん(47)がインターネットで検索していたところ、SNSでアマビエを知り、商品化。各日10個ほどを用意するパンは連日完売の人気ぶりだ。今月3日には「中止になった集会に参加予定だった人に配りたい」と22個を予約して購入した男性客も。
パンを買った牛尼敏子さん(65、松本市村井西1)は「見た目もかわいい。しばらく飾っておきます」と話していた。

イラスト入りの「キーホルダー」 筆文字作家の山本さん

筆文字で書いたり描いたりするグッズをそろえる「わくわく書」(同市大手4)の筆文字作家、山本英津子さん(54)は、自作のアマビエのイラスト入りの「おなまえキーホルダー」(1000円)とポストカード(220円)を作った。
アマビエは、筆ペンのペン先をイメージしたしずく型の輪郭で、花冠をかぶったデザイン。キーホルダーは片面にイラスト、裏面には名前が入る。「ランドセルなどに付けてお守り代わりに」と山本さん。

少しでも元気に瓦版の写し展示 穂高のそば店「双葉」

安曇野市穂高のそば店「双葉」店主の川瀬仁さん(48)は、アマビエが描かれた瓦版の写しを入手し、店内に飾っている。「ゲゲゲの鬼太郎」の原作者、水木しげるさんが育った鳥取県境港市の商工会議所などが主催する「境港妖怪検定」で、「上級妖怪博士」になったほどの妖怪好き。
ウイルス感染拡大の影響を受け、夜の営業を自粛しているという川瀬さん。「来店した人が絵を見て少しでも元気になれば」と話している。

「作品」を製作しSNSにアップ 画家の野坂さん

信濃町在住の画家で松本市のギャラリーカフェ「イーアイアートギャラリーカフェポルト」(深志2)に作品展示している野坂衣織さんは、アマビエを題材に色鉛筆などで作品を制作。SNSに写真をアップしたところ、すぐに買い手が付いたという。ギャラリーオーナーの石野江未子さんは「お守りなどにすがる気持ちは今も昔も同じ。早い終息を願っています」。

「現代の瓦版」の一つ、MGプレスもフロントに、水木さんによるアマビエのイラストを載せました。1面の各段落の最初の文字にも、新型コロナウイルス禍が早く収まるよう願いを込めました。皆さん、気付きましたか?

【アマビエパン】ホテルブエナビスタ1階のショップ&ペストリー「パセオ」で1つ200円で販売。購入者には「プラス1の喜びを」と、クッキーをプレゼント。電話 0263 ・ 37・0771
【わくわく書】午前11時~午後7時。不定休。電話090・4158・2923
【双葉】午前11時~午後3時。水曜定休。電話0263 ・ 83・5656