東京五輪延期決定に選手らは 地元有力選手や指導者に心境聞く

今年に照準精神的・肉体的衝撃どうカバー

今年7月24日に開幕予定だった東京五輪が、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響で1年延期された。4年に1度のビッグイベントの日程変更により、そこに照準を合わせてきた選手らが精神的・肉体的に受けた衝撃は計り知れない。中信地区関係で出場が有力視されていた選手や指導者に、現在の心境や延期後に挑む心構えなどを聞いた。

目標失うも前向き
マウンテンバイク(MTB)クロスカントリー男子・山本幸平(松本市)

本来なら3月15、21日の米国での大会に出場し、そこでポイントを稼いで、五輪出場権を確実にする予定だった。しかし、渡米後にレースがキャンセル。帰国するのも難しい状況になりかけたため、急きょ予定を変更し、日本に戻ったという。
東京五輪を最後に引退を表明しており、「定めていた目標がなくなり、今はぽかーんとしている」と心境を明かす。
それでも、1年延びた五輪を目指す気持ちに変わりはない。「いったん、無理やりにでもモチベーションを下げ、家族だんらんなど、こういう時にしかできないことを楽しみたい」とし、「選考がどうなるかだけは早く決めてもらいたい」と注文を付ける。

選考少しでも早く
MTBクロスカントリー日本代表・鈴木雷太監督(松本市)

「全てが白紙になったが、基礎体力などを強化できる時間ができたとポジティブに捉えたい」とし、今後の選考については「選手が一番心配しているところ。なるべく早く、すっきりとさせてあげたい」と気遣う。
東京五輪が延期され、次のパリ五輪までが3年と間が短くなる。「特に若手は、東京を狙いながらもパリを意識しないと。そうしないと世界との差は縮まらない」と強調する。

日々精進するのみ
柔道女子57キロ級でカナダ代表を目指す・出口クリスタ(塩尻市出身)

6月6日に行われる予定だったカナダ代表の決定戦が延期に。次のコメントを寄せた。
「私としては日々、精進し、努力していくことは同じなので、前向きに頑張ってまいります。新型コロナウイルスが鎮静化することを願っています」

気持ち切り替えて
スケートボード・パーク男子・永原悠路(白馬村)

本来なら代表選考レースとなる5月末までの国際大会4戦に出場予定だったが、1戦目のリマ・オープン(3月、ペルー)が4月に延期され、さらに再延期に。代替日程は未定で、代表選考も今後どうなるか不透明。「1週間は気持ちの切り替えができなかった」
東京五輪の出場枠は20人。現在、自身の世界ランキングは44位で、1カ国・地域最大3人までが出場できる五輪の選考条件に当てはめると24番手、日本人では3番手。「延期になったのは仕方がない。気持ちを切り替え、もっと練習しないと」と自分に言い聞かせる。
自分より下の世代のレベルが上がってきているとし、「負けたくないし、負けられない。二度とないかもしれない自国開催の五輪。絶対に出場する」と気合を入れ直す。
(浜秋彦、高山佳晃)