1級指導士・三輪尚弘さんに聞く―ラジオ体操 正しい動きで

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、外出自粛、テレワーク、休校…。家にこもる時間が長くなり運動不足になりがちで、免疫力の低下も気になります。そこで本コーナーでは「家でも簡単にできる体操」を2週にわたり紹介します。初回は誰もが知っている「ラジオ体操」。1級ラジオ体操指導士の三輪尚弘さん(72、松本市蟻ケ崎)に、ラジオ体操の有効性や正しく行うポイントを聞きました。

固と動・姿勢と呼吸・音を聞く─3つのポイントを意識する

三輪さんは「家にいて動かなくなることで、筋肉や骨が衰え、免疫力の低下にもつながる」と懸念。ラジオ体操は全身の約7割の筋肉を動かすことができる効果的な運動で「特別な用具は不要。3分間でどこでもでき、けがなどのリスクが低いメリットもある」と説明する。
一方、子どもからお年寄りまでよく知られた体操だが、「多くの人が我流でやっていて、正しく筋肉に効いていないのがもったいない」と強調する。
ラジオ体操は、第1、第2共に13の動きがあり、それぞれどんな目的でやっているのかを理解すると運動効果が高くなるという。
正しく行うポイントは▽体を固定する部分と動かす部分を分ける▽良い姿勢で深い呼吸をする(大きく吸って長く吐き出す)▽音楽をよく聞き、音に合わせて体を動かす─の3つを意識することが重要だ。
NHKのEテレとラジオ第1では毎朝放送があり、それに合わせ毎日決まった時間に体操をして習慣にすると、1日の生活リズムが整う。朝起きてラジオ体操をいきなり始めるのではなく、「手首や足首を動かすなど、少し準備体操をして体を温めてからやって」と三輪さん。
体側を伸ばしたり、体をねじったりなど、日常生活ではあまりやらない動きがあり、普段使わない筋肉を動かすこともできる。三輪さんは「肘をしっかり伸ばす時は伸ばす、つらい動きの時ほど息を止めないで吐くなど、正しい動きを頭に入れて」とし、「体調に合わせて無理せず行って」とアドバイスする。
椅子に座って上半身だけ動かすやり方も可能。その際は、椅子には尻を半分乗せるくらい浅く座って行う。三輪さんのお薦めは、ラジオ体操とウオーキングの組み合わせ。「自分の体に合った運動を続け、免疫力を高めましょう」と呼び掛ける。

ラジオ体操第1の動きのポイント(○数字は13ある動きの順番)

②腕を振って脚を曲げ伸ばす運動
ふくらはぎを中心に脚の筋肉を鍛え、全身の血行をよくする。かかとの上げ下げを忘れずに。特に高齢者は意識してやると転倒防止につながる

④胸を反らす運動
胸周りの筋肉を伸ばし呼吸器官の働きを高め、正しい姿勢をつくる。腕を斜め上に上げた時、指先、肘を伸ばして手のひらを上に向けて後ろに引く。顔は上を向かず動かさない

⑤体を横に曲げる運動
脇腹の筋肉を伸ばすとともに、背骨の可動域を広げ姿勢をよくする運動。腕を真横に動かし、上へ伸び上がるように意識し、体側を伸ばす。腰は動かさない

⑥体を前後に曲げる運動
腹筋や背筋を伸ばし、腰への負担を軽減する運動。両手で腰の後ろを押すようにして、ゆっくりと反らせる。前へ倒した時、後ろに反った時に息を吐くことを意識する

⑦体をねじる運動
胴体の筋肉を動かして内臓を刺激し、働きをよくする。手の方向を目で追い、顔も後ろへ向けて首もよくねじる。腰から下は動かさない

⑧腕を上下に伸ばす運動
瞬発力を付け、全身の筋肉を強化する。素早く動き、手は体側を通す。上に伸ばした時は、肩幅で指先まで伸ばし、かかとを高く上げる

⑩体を回す運動
腰周辺の筋肉をほぐし、柔軟性を高める。腰から下を固定し、上体だけを回す。両腕を伸ばし、息を吐きながら回転する

⑪両脚で跳ぶ運動
全身の血行を促し、リズム感をよくする。初めの4回は軽く、開閉跳びは大きく、アクセントを付けるのが大事。腕は肩より上げない