コロナ禍を乗り切ろう! 「知恵」と「連帯」さまざまな試み

「知恵」と「連帯」で新型コロナウイルス禍を乗り切ろうと、さまざまな試みが動き出している。
「知恵」。喫緊の運転資金確保につなげるため、ウイルス禍が終息した後に使える食事券を売り出したり、店内でしか提供していなかった商品をテークアウト用にアレンジしたり…。終息後の「近い未来」を見据え、顧客開拓も視野に知恵を絞る飲食店スタッフ。
「連帯」。疫病退散の力があるという妖怪「アマビエ」の絵を著作権フリーで提供するのは松本市のヤマダドレス(中央2)。山田真人社長(45)が同市出身の画家、田之上尚子さん(39、岐阜県多治見市)に描いてもらった。無料のステッカーも500枚作った。信毎メディアガーデン1階に置く。

終息を願い、できることを

イタリアンの「トラットリアジラソーレ」(松本市巾上)は、5月15日~12月29日に使えるプリペイド食事券を発売した。今必要な資金を調達できるだけでなく、外出を自粛している購入者にはコロナが終息したら外食できる―というわくわく感も持ってもらう狙いだ。
3000円券4枚で価格は1万円。100組限定。姉妹店の「カンポ・ディ・ジラソーレ」でも利用できる。「2000円分は、応援してくれる人へのお礼。新しい顧客の開拓にもつながるのではないか」とオーナーシェフの松井基さん(48)。「他の飲食店にも参考になれば」と話す。

「BACCA(麦香)ブルーイング」(同)は、店でしか飲めなかったクラフトビールを瓶で販売。店内の営業は休業しており、その間、常連客らに楽しんでほしいと、店頭や通販で対応する。
茅野市の醸造所、エイトピークスに瓶詰めを依頼。「ペールエール」、「ジャンダルムスタウト」の定番2種のほか、「さくらラガー」など季節ものや限定もの3種類を用意する。オーナーの深沢賢二さん(57)は「普段飲みに出ない人にもお薦め」。現在のラインナップは1本550~650円。

イタリアンの「ルチェルナ」(同市梓川倭)は、500ワットの電子レンジで3分温めるとレストランの味が再現できるパスタを開発した。手打ち生パスタで、「ビゴリ」という極太麺を使った甘めの「ハチミツミートソース」(1296円)、「信州黒毛和牛と小谷野豚の究極のボロネーゼ」(1944円)の2種類。
通常よりゆで時間を短くし、濃度のあるソースを使うことで、こしがあり、小麦の風味が楽しめる麺を実現した。オーナーシェフの渡辺孝行さん(49)は「家でも簡単に、おいしく食べてもらいたいと開発した。外食できない状況の今、少しでも楽しんで笑顔になってもらえたら」と話す。

松本市内の飲食店やウェブ制作会社、印刷会社などでつくるマツモトノミライチケット実行委員会は、新型コロナウイルス感染症の終息後に松本駅周辺の飲食店などで使えるチケットをネットで販売している。使用期間は6月1日(状況により延期の場合もある)~11月30日。
1000円の「応援チケット」、3000円、5000円、1万円の「ミライチケット」、3万円と5万円の「スポンサーチケット」の3種類。例えば「ミライチケット」の5000円は5500円分の食事券になるなど、チケットの種類によって特典が異なる。
販売は使用開始の2週間前までで、支払いはクレジット決済やコンビニ払いなど。チケットは郵送する。
参加店舗は現在約30店で4月末まで募集中。永瀬篤実行委員長は「飲食店のにぎわいを取り戻し、店と消費者に少しでも希望が見える企画にしたい」としている。

ヤマダドレスが無料提供している妖怪「アマビエ」の絵。作者の田之上尚子さんは、自分の画風を出しながら昔描かれたアマビエに忠実に描いたという。「お札のように張ってもらえたらうれしい」
山田真人社長のSNS(会員制交流サイト)から無料でプリントアウトできる。塗り絵バージョンもある。
テークアウトを手掛ける飲食店が増えていることから、「包装用紙などにも使ってもらえたらいい」と山田さん。お寺がお堂に貼ったり、マスク販売のパッケージに使ったりする人もいるという。商業利用する場合は連絡が必要で、高画質データを無料で提供する。
「終息を願う思いだけで何もできないでいる。遠く離れた家族、商売など1日も早く心配のない普通の生活に戻りますように」と田之上さん。山田さんは「自分に何ができるか考えたが、その根本は『思い』なのではないか。世界中の思いや願いを一つにし、その象徴になってくれたらいい」と話している。

▽トラットリアジラソーレ ℡0263・32・2900
▽BACCA  ℡0263・ 30・8230
▽ルチェルナ  ℡0263・ 78・7277
▽マツモトノミライのサイト https://matsumoto-yell.com
▽ヤマダドレス山田社長のメール myamada@yamada-dress.com