「怒りの感情」対処術

新型コロナウイルス感染拡大の影響で子どもと過ごす時間が長くなり、疲れを感じているお父さん、お母さんも多いのではないでしょうか?普段なら受け止められることもイライラして怒ってしまう、というケースもあると思います。怒りの感情との付き合い方を指導する一般社団法人日本アンガーマネジメント協会(東京)の認定講師、小宮山聖美さん(40、長野市)に対処法などを聞きました。

―アンガーマネジメントとは
怒りの感情と上手に付き合うための心理トレーニングで、怒りに任せた言動や行動をして後悔しないことを目指します。決して怒らないようになることではありません。怒る必要があるときはきちんと怒り、そうでないときは怒らなくて済むようになることです。
―子どもと一緒にいる時間が長くなりイライラが増えています。どうしたらいいですか
自分の気持ち次第でいら立ちの度合いが変わります。例えば運転中の渋滞でイライラする人は多いでしょう。そんなときは視点を変えてみます。
渋滞は自分では変えられない状況です。だとしたら自分でできることを考えてみます。待ち合わせをしているなら「遅刻します」と一報を入れ、その後、「今は好きな音楽を聴きながら景色を楽しむ時間」と捉えてみるといら立ちが軽減されます。違うことを考えるだけでも視点を変えることができます。
また、相手が自分の思い通りにならないことでイライラするときは、自分が思っている「〇〇すべき」が緩められないか考えてみます。
「夕飯は夜7時に食べるべき」「9時には寝るべき」といった自分の中の「べき」がうまく運ばないときに、いらつく人は多いかもしれません。たまには「8時に食べてもOK」「10時に寝てもOK」(次の日はいつもと同じ時間に過ごす)など、「べき」を手放してみてください。
―怒った後に罪悪感を感じてしまいます。怒らない方法はありますか
ズバリ「6秒待つ」です。怒りの感情が生まれてから理性が介入するまでが約6秒といわれています。少しでも冷静になってから対応すれば、罪悪感を感じるほどの“とっさの怒り”を減らすことができます。
―家にずっといるので子どもたちはけんかばかり。その度に怒っています。何か良い対処法はありますか
蹴ったり殴ったりの場合は間に入らなければいけませんが、そうでなければ少し様子見してもよいのでは?それができず気になって仕方がないなら、違うことを考えて怒りの感情につられないようにしてみてください。
そして子どもたちを落ち着かせてから、お互いの話を聞いてみます。どんなことで怒っているのか、本当はどうしてほしいのか…。自分の気持ちを言葉で伝えられないから、けんかになってしまっているのかもしれません。ただ相手のイライラを受け取るより、原因を探ってみると視点を変えることにつながります。

繰り返し練習し自分が機嫌よく

アンガーマネジメントの技術を身に付けたからといって、すぐに怒りの感情をコントロールできるわけではありません。私もそうでしたが10回に1回できたら良しとします。繰り返し練習することが大事です。
怒ってしまったら、「あの時どう行動すればよかったのか」と振り返ることをお勧めします。怒った状況を書き留めておくと、後で冷静に考えることができて後悔することが減っていきます。
怒りの感情は伝わりやすいので、家の中で誰かがイライラしているとみんなに伝わってしまいます。親が笑えばみんなが笑顔になります。きれいな花を見る、おいしいコーヒーを飲むなど「自分の機嫌が良くなる方法」をたくさん見つけて笑顔で乗り越えたいですね。
NHKEテレで5月18~28日午後9時55分~10時放送予定の「今年こそイライラしない!怒りのセルフコントロール術」も参考になるかもしれません。

【こみやま・さとみ】アンガーマネジメントファシリテーター、アンガーマネジメントキッズインストラクター。長野市を中心に子どもや親子向けの講座を開く。3児の母。komiyamasatomi@gmail.com