「工芸の五月」中止“できること”発信

毎年5月に松本市内などで1カ月間、開催されてきた「工芸の五月」が、今年は新型コロナウイルス感染症対策で中止になった。公式ガイドブック刊行などを準備してきた実行委員会と、イベントに合わせて限定ビールを醸造した「松本ブルワリー」(中央3)が、それぞれの形で催しへの思いを発信している。

柚木さんへの取材ホームページに

実行委は「工芸の五月」公式ホームページに、染色家の柚木沙弥郎さん(97、東京都)のインタビューを掲載した。柚木さんはガイドブックの巻頭に特集記事を掲載し、現在休館中の市美術館で4月18日~6月7日に企画展が開かれるはずだった作家。
公開延期やガイドブック刊行の中止を受け、実行委は4月下旬に柚木さんに電話で再度話を聞いた。柚木さんは現状をどう受け止め、どう過ごしているのかを語っている。
実行委スタッフの北原沙知子さんは「ものづくりに携わる人、松本を愛する人、催しを楽しみにしていた人など、多くの人の励みになる内容。中止は本当につらいが、少しでも希望を見いだしてもらえれば」。

限定販売ビール「宅飲み」に華を

松本ブルワリーは「工芸の五月」期間中に販売するはずだったオリジナルビールを急きょ、「STAYHOMETakunomiSession(ステイホームタクノミセッション)IPA」として発売した。
新緑の時季をイメージし、軽めの味わいとフルーティーでトロピカルな香りが特徴。1本(330ミリリットル入り)495円。4000本を出荷する。
同社スーパーバイザーの本郷綾子さんは「昼間に飲んでもおいしい味。『家の庭でちょっと』と、気分を変えて楽しんでもらえれば」。ウイルスの終息後に声高らかに乾杯できる日まで、「宅飲み」に華を添えたいとする。
市内の大型店や酒販店などで販売。取扱店は同ブルワリーのフェイスブックに掲載し、ホームページからも購入できる。

「工芸の五月」は、予定した約70会場のうち、ほぼ半数が延期(期日未定)になり、ほかは中止に。県内外の工芸作家が作品を展示即売するメインの「第36回クラフトフェアまつもと」は10月17、18日に開催予定。