松本の橋本さん 資格試験に全国最高点で合格

犬や猫などが病気になったりけがをしたりした時、検査や消毒などの処置をしたり世話をしたりする動物看護師。人間が病気になった時と同じく、頼りになる存在だ。その資格試験に、松本市の女性が120点満点で117点と全国最高点で合格した。
専門学校未来ビジネスカレッジ(渚2)を今春卒業した橋本詩乃さん(20、岡田伊深)。全国の2279人が受験した動物看護師統一認定試験は、同校からは橋本さんら15人が受け、全員が合格した。合格者の全国平均88・24点に対し15人の平均は110・53点で、学校別平均点も全国1位だった。
仲間と共に夢をかなえ、4月から市内の動物病院で働きだした橋本さん。「動物の命と向き合い、飼い主の心にも寄り添いたい」と張り切っている。

未来ビジネスで知識や技能学ぶ

橋本詩乃さんは、松本美須々ケ丘高校を卒業後、動物看護師学科のある県内唯一の養成機関、専門学校未来ビジネスカレッジで2年間、必要な知識や技能を学んだ。「正直、不安だったけど、やれることはやった。まさか自分が最高得点で合格するとは夢にも思わなかった」と話す。
試験は3月1日、北海道から沖縄まで全国の大学や専門学校など計9会場で一斉に行い、一般問題と実地問題の計120問。動物の看護ケアをはじめ、感染症や栄養学、救命救急など、動物看護師として働くのに必要な幅広い知識が求められる。
橋本さんは、試験勉強で分からない用語や単語が出てくると、その都度調べてはノートに書くなど「こつこつとまじめに取り組むタイプ」(同校)。分からない問題は仲間と協力し、答えを一緒に導き出す。「苦しい時、頑張れたのは最後まで応援してくれた先生とみんなのおかげ」と感謝する。

職場体験学習で働く姿に憧れて

幼いころから動物が大好きだった。実は家でペットを飼った経験がないという。「3歳上の兄が猫アレルギーで、飼いたくても飼えなかった」と話す。
動物看護師を目指したきっかけは、職場体験学習だった。女鳥羽中学校2年の時、現在働いている動物病院で、てきぱきと働く動物看護師の姿に接した。けがや病気で連れてこられた犬や猫たち以上に不安そうな飼い主を優しく気遣い、寄り添う姿に感銘を受けた。「自分もそうなりたい」。志を固めた。
現在は新人研修中。先輩の動物看護師に付いて、獣医師の診療補助や入院動物の健康管理、検査全般を行っている。「覚えることが多くて1日の時間が経つのが早く感じる。早く一人前になりたいです」

「動物医療」に力夢に向かって…

人間の医療と違って外科や内科など専門科はなく、動物医療は全科診療が基本。業務内容は、来院の受け付けから獣医師による診察や手術のサポート、入院時の看護ケア、飼い主へのしつけアドバイス、栄養指導など多岐にわたる。
橋本さんの恩師で、同校動物看護師学科の福澤美雪学科長は「症状をいち早く理解する観察力と、飼い主とのコミュニケーション力が大事」と話す。橋本さんへは「笑顔と初心を忘れずに、地域で必要とされる動物医療のために力を発揮してほしい」とエールを送る。
「飼い主と動物たちの不安を安心に変えられるように獣医師と連携しながら3者を結ぶ懸け橋になりたい」。橋本さんは次の夢に向かって目を輝かせた。

メモ
【動物看護師】一般財団法人動物看護師統一認定機構が「認定動物看護師」として登録する民間資格。昨年、愛玩動物看護師法が議員立法で成立。国家資格は「愛玩動物看護師」で、最初の試験実施は2、3年後の見込み。同機構が国家資格の指定試験機関となった。国家資格を得るには、現在の民間資格保有者も受験、合格する必要がある。未来ビジネスカレッジは来春、動物看護師学科を2年制から3年制にするなど、国家資格に対応できる態勢を整える。