里山辺薄町町会の山車建造 当時の姿に

江戸時代末期、1864(元治元)年の建造当時の輝きがよみがえる。松本市里山辺の薄(すすき)町町会が全面修復に乗り出す県宝の「お船」。木曽漆器の産地、塩尻市木曽平沢の職人が手掛ける漆塗りが施され、化粧直しされたお船は、新型コロナウイルス禍の収束を待って来年の「お船祭り」で登場する予定だ。

江戸時代末期以来の雄姿復活へ

同町会のお船は、宮大工の立川流一門が建造したとされる。信州大工学部建築学科による学術調査で、車輪は左右の建材と製作年代がそれぞれ異なることが判明。建造当時の骨組みを残しながら、明治~大正期に改築が施されたと推定された。幣束(へいそく)台=御幣を立てる台=の裏からは、建造の前年に書かれたとみられる神主や大工の名前が記された墨書が見つかっている。
同町会は2015年から修復に向けて動き始め、町会旅行で山車で有名な岐阜県高山市を視察するなどして、昨年、実行委員会を結成。お船の解体修理は里山辺地区の他の2町会のお船修理も手掛けた高山市の「八野大工」に依頼した。来年3月に完成する予定で、同5月の須々岐水(すすきがわ)神社の例祭「お船祭り」で曳航(えいこう)する計画だ。
修復費約2300万円は、県と市から約1500万円の補助を受け、残りは町内の氏子約150戸の積立金で賄う。
小幡泰俊実行委員長(64)は「来年、建造当時の姿になるのが待ち遠しい」と話している。