【太陽劇場】癒やしと生きる原動力 朝日と夕日光彩追う

美ケ原高原王ケ頭(2034メートル)の電波塔群を抱いて昇る太陽。神秘的な光彩が壮麗な朝を演出する
=3日午前5時22分、松本市神林から1200ミリの望遠レンズで撮影

刻々と光彩を変幻させ新しい朝が来る…

夏至に向かって太陽高度が日増しに高くなり、命が躍動する季節を迎えている。だが、かつて経験がない新型コロナウイルス感染拡大で生活が一変。「コロナ疲れ」や「自粛疲れ」もあり、心がヘトヘトだ。そんな心に写真を通して元気と癒やしを届けたいと、朝日と夕日が放つパワフルで神秘的な光彩の撮影を思い立った。場所と時間、方位を計算しながら3月下旬から奔走。コロナウイルスの早期終息の祈りを写真に込めた。

神秘的な電波塔美ケ原王ケ頭

5月3日午前4時半。松本市神林の撮影地点に1200ミリの超望遠レンズ付きカメラをセットし構えた。
4時55分。美ケ原高原王ケ頭の左側に見える王ケ鼻上部の赤味を帯びた明るさが、まるで「太陽劇場」の前奏曲のように刻々と変化。雲が朝焼けに染まりだした。
5時15分。王ケ頭の上空が真っ赤に染まり、サンライズショー間近を告げる。
5時19分12秒。王ケ頭北側斜面から大きな朝日が昇り始めた。
5時21分。神々しく昇る太陽の中にシルエットの電波塔群が浮かび上がり、空想の宇宙基地の光景を連想させた。
5時22分41秒。昇った荘厳な大きな太陽に向かい、思わず手を合わせて祈った。

荘厳な平安絵巻 烏帽子岩

11日午前5時9分。松本市島立地区から、太陽が「烏帽子(えぼし)岩」(1621メートル)を抱いて昇る日の出が見られた。烏帽子の姿が影絵のように浮かび上がり、まつげや顔の輪郭がリアルだ。平安絵巻を連想させ、神々しい雰囲気が漂う。日の出の強力なエネルギーと原始の感動が伝わってきた。
烏帽子岩は、美ケ原高原の思い出の丘からさらに北へ稜線(りょうせん)をたどると、小さな突起状に見える。古代より「烏帽子権現」として祭られ、天から神が降臨する磐座(いわくら)としてあがめられている。

槍ケ岳が太陽面を移動するサンセットショー

明日の幸せを約束し、神々しく輝き力強いパワーを放つ夕日と槍ケ岳のコラボレーション
=11日午後6時32分、松本市入山辺、よもぎこば林道から1200ミリの望遠レンズで撮影

穂先で光ドラマ北ア槍ケ岳

快晴の11日夕、北アルプス槍ケ岳(3180メートル)のシルエットが太陽の中に浮かび上がる神秘的な光景が、松本市入山辺のよもぎこば林道から撮影できた。
夕日と槍ケ岳が演じるコラボは、岳都松本が誇るサンセットの光彩だ。朱や橙(だいだい)色の太陽の色を大切に、切り絵の世界を思い描いて撮影してみた。槍ケ岳にかかる太陽の大きさは、撮影位置で決まる。今回は、太陽の中央が槍の穂先(頂上)を通過する位置を選んだ。
午後6時30分。太陽の右下部の輪郭外側が槍の穂先に接触(第一接触)。約2分後、太陽の中央にすっぽり槍ケ岳が入り神秘的な雰囲気に。6時33分、太陽の左上部内側が穂先に接触(第二接触)し、穂先から外れた。
この光景は、18日に里山辺の薄川に架かる金華橋から始まり、夏至には中山地区と、観望地点が毎日変わる。

双耳峰にかかる 北ア鹿島槍

小川村から眺める双耳峰の鹿島槍ケ岳と夕日が演じる「ダイヤモンド鹿島槍」の光彩は絶景の極みだ。南峰(2889・2メートル)と北峰(2842メートル)が寄り添う均整のとれた雄姿が癒やしの世界へ誘い、疲れた脳波を正常に戻してくれるような気がする。この村から望む残雪の北アルプスの山並みが美しく居心地が良い。なぜか?それは近からず遠からずの程よい距離の位置関係にあるからである。近過ぎる圧迫感や遠過ぎる物足りなさもない。「距離が大切」と大自然が教えている。
「コロナ疲れ」や「自粛疲れ」で見失いそうな心の距離。壮大なエネルギーを放つ朝日と夕日の太陽のケアが届くことを願いシャッターを切った。