【なないろキッズ】 #39 視覚的に伝える意識を

災害などの非常時は、日常の生活がなくなり、いつもと違うことばかり起き、予定が変更されたり、普段していたことが制限されたりするので、自閉タイプのお子さんは混乱しがちです。
言葉で説明しても納得してもらいにくく、とても苦労を要します。いつもと違う状況で不安に感じているときは、普段よりも口頭の説明がより届きづらくなります。同じことを伝える場合でも、口頭だけに頼らず、視覚的に伝えることを意識して少し丁寧に伝えてみてください。
変更や制限がある理由、本人の視点に立った行動のメリット、デメリットなどを不安が解消されるように説明し、納得すれば意外にもスムーズに変更や行動制限に従えるようになります。
小学3年生のA君。新型コロナウイルス感染症拡大のため、学校が休校になりました。「しばらく学校お休みなんだって」と、伝えても、「何で?」「いつまで?」とイライラしています。そこで紙に書いてみました=イラスト。「学校がしばらくお休みになります」。理由は…(1)病気になるウイルスが外にはたくさんいます(2)大勢の人が集まるとウイルスがうつってしまうかもしれません(3)ウイルスが少なくなるまで学校はお休みになります|と、漫画風にイラストを添えて書きました。
そしてカレンダーに当面決まっている休校日まで、お休みマークを書き込み、「ウイルスが少なくなったら学校が始まります。日にちはまだ決まっていません。始まる時は学校から連絡がきます」と付箋を付けました。A君はこれらを読むと、「ウイルスがうつったら大変だ!」と納得していました。