コロナ禍どう過ごしてる? ─3人のいきいき生活を紹介

新型コロナウイルス感染拡大の防止で長引く外出自粛。ボランティアや自治体役員など、これまで多くの人々と交流しながら活動していたシニア層はこの状況をどう過ごしているのだろうか─。松本と塩尻市の3人を訪ねてみると、コロナ禍でも心を豊かにし、生き生きとした暮らしぶりが見えてきた。

ライン交換し「おうち飲み」― 塚原勝代さん(塩尻市)

塚原勝代さん(76、塩尻市洗馬)は、市民有志らでつくる「塩尻ワインクラブ」の会長。市の農業団体や男女共同参画ワーキンググループのメンバーでもある。
ワイン会や会議などが休止の今、楽しみにしているのが飲食店のテークアウト利用と、友人とのLINE(ライン)による“おうち飲み”での情報交換だ。
フレンチや中華、イタリアンなど市内外のレストランから週に1回ほど料理をテークアウト。その日のメニューによって合わせるワインを決める。仲間も同じようにテークアウト。お互いに写真を撮ってコメントと一緒にLINEで交換する。
塩尻ワインクラブは通常、2カ月に1回ほど市内のレストランなどでワイン会を開催。いつも協力してくれる各レストランを今はテークアウトで応援したいという。
松本市の店に、何人かでまとめて注文し、配達してもらったこともある。「今まで知らなかった店にも注文できるし、家にいながらプロの料理を味わえてぜいたくですね」と満足そう。
「料理を取りに行って、なじみのシェフの笑顔を見るのはうれしいし、自粛が解禁になったら行ってみたいお店も増えました」と、笑顔で話す塚原さんは、仲間と会って乾杯できる日が一日も早く訪れることを願っている。

ピアノなど習い事に夢中 ― 黒澤優子さん(松本市)

英語講師の黒澤優子さん(55、松本市城西)は、勤めている短大が休校中のため、今年から始めたピアノやパソコンなどの習い事に夢中になっている。
5歳から高校時代までピアノを習い、大学時代はオーケストラでバイオリンを弾いていた。「もう一度、しっかり楽譜や曲の解釈と向き合いたい」と、3月から「日本ヴァイオリン松本店」(大手1)のピアノ教室に通いだした。
月に2回、個人レッスンを受ける以外は毎日、自宅で練習。平日はクラシック、土日曜はポピュラーミュージックなど演奏曲を変えながら取り組む。1回の練習時間は40分ほど。肩凝りになりやすいので、その他の時間はDVDやテレビを見ながら太極拳やストレッチをして体のバランスを整えている。
また「苦手なワードを上達させたい」と、1月から通い始めたパソコン教室は、しばらく休止となり自宅で練習。父の手書きの自分史を、パソコン入力することに挑戦し始め、「技能が上がってきた。外出自粛のうちに形になりそう」と笑顔だ。
ピアノを習い始めて歌うことにも興味が出てきた。「コロナ禍が収まったら松本駅の『楽都まつもと夢ピアノ』を思い切り弾いてみたいし、ジャズボーカルにも挑戦したい」と黒澤さん。夢がどんどん広がっている。

木々の剪定や読書楽しむ ― 太田毅さん(松本市)

太田毅さん(68、松本市波田)は国宝松本城で無料の外国語ガイドを行う「アルプス善意通訳協会」をはじめ、ウオーキングや登山の会などに所属し、ほぼ外出する日々を過ごしてきた。活動が休止となった今、「見て見ぬふりをしてきた家の仕事がたくさんあり、『ステイホーム』も忙しい」と笑う。
かつては製糸工場だった敷地内に住む太田さん。伸び放題だった木々の刈り込みや剪定(せんてい)に精を出した。
また、30年ほど前から「物置」になっていた書斎の片付けも決意。段ボール7、8個分の本や資料などを処分し、机の上に置いていたスピーカーを壁に据え付けるなど、室内のレイアウトも変更。書斎を設けた当初の目的の「落ち着いて本を読んだり考えたりできる場所」を実現した。
現役時代は平日は残業、休日は趣味のスポーツで外出。定年退職と同時に地域活動に参加するようになり、家にいることが少なかった太田さん。「今までがむしゃらに突き進んできた。これまでを振り返ったり、これからのことを考えたりするいい機会になった」と、今を貴重な時間と捉えている。
千葉県に住む長男家族とも会えない日々が続くが、インターネット上の動画で孫の成長を見守っている。「コロナが終息する頃はどれくらい成長しているか楽しみ」と笑顔だ。