“絶景パノラマ”どこにいても 「信濃大町の山 360°PANORAMIC VIEWS」

画面越しの景色いつかは生で

大町市域や市に近い北アルプスの鳥瞰(ちょうかん)図に39個のQRコードがずらりと並ぶ。それぞれにスマートフォンをかざす。後立山連峰の山頂、中山高原の菜の花、八坂大滝…。各地点で写した360度のパノラマ写真が画面に現れた。
北アや風光明媚(めいび)な場所に立った感覚で、ぐるりと全方位、居ながらにして臨場感たっぷりに景色が楽しめる「信濃大町の山 360°PANORAMIC VIEWS」。まるで「どこでもドア」のようなマップだ。
印刷物・ウェブサイト制作業「山猫屋」店主の竹花聡さん(54、同市常盤)が企画、制作した。新型コロナウイルスの影響で旅行や登山を自粛する人が多い中、「画面で風景を見た人が、いずれ仲間や家族と一緒に大町を訪れてもらえたら」と願う。

5年前から撮影穴場スポットも

パノラマ写真は、竹花聡さんが2015年から撮りためてきた。白銀の爺ケ岳や鹿島槍ケ岳が眼前にそびえ立つ場所、唐沢岳からの眺めなどは穴場やお薦めの眺望という。
撮影の様子を見せてもらった。スマートフォンを両手で持ち、脇を締めて手ぶれを抑える。軸をずらさず少しずつ回転して周囲を写していき、撮影した写真をアプリで自動でつなぎ合わせると、全方位見渡せる画像になる。ワンショットで撮影可能な360度カメラを使う場合もあるが、多くはスマホの撮影によるという。
写真はインターネットの地図サービス「グーグルマップ」に投稿し、リンクするQRコードを載せた。大町市域や市・県境の山の中でも、槍ケ岳、三俣蓮華岳、鷲羽岳などは天候不順でたどり着けなかったり撮影できなかったりしたが、今後挑戦しマップに加えたいと考えている。

モノクロは無料スマホ内で登山

「信濃大町の山 360°PANORAMIC VIEWS」はA3判のカラー刷り。昨年末から大町市や近隣の店舗、宿泊施設などで1枚500円(税別)で販売を始めた。モノクロ版=写真左下=は大町市移住情報総合サイトで無料配布している。
スマホをかざして画像を見た市内の70代の女性は「昔登った山の景色が懐かしい。好きな方角の風景が簡単に見られてテレビとは違う楽しみがある」。市外の友人に紹介したところ「『スマホの中で登山しよう!』と喜んでいました」と話す。

第二の古里探し埼玉県から移住

竹花さんは04年春、埼玉県から家族で大町市に移住してきた。山や温泉があり、空気や水がきれいで、独特な文化が根付く場所に―。第二の古里を探し、人柄にも触れてたどり着いたのがこの地だった。
グーグルマップに情報を投稿する「ローカルガイド」として、大町の魅力発信につなげようと、山を含めた市内各所で撮影した風景画像を公開。自身の経験を生かして市定住促進アドバイザーを17年度まで3期6年務め、現在は市定住促進協働会議の移住定住協力店として移住者や希望者の支援もしている。
「市内の景色の素晴らしさを、余計な説明なしで伝えられる手軽な『お里自慢』ツールとして、移住、定住希望者にもわかりやすいのでは」と竹花さん。「大町に興味を持ち、いつか訪れる日のために、パノラマ画像を見ながら計画を立てるなど、楽しんで活用してもらいたい」と話している。
問い合わせは、山猫屋へメール(maps@yamanekoya.info)で。