コロナ対応機会にCATV自主放送に活路

情報の幅広がり好評、コロナ収束後も

集い、学び、体を動かし、おしゃべりするなど、地域住民のよりどころでもある公民館や図書館、福祉施設。新型コロナウイルス感染拡大で教室や催しが相次いで中止になる中、こうした施設がケーブルテレビ(CATV)の自主放送に活路を見いだしている。
朝日、山形両村は、今何かできることを―と、CATVで外出自粛中の住民に役立つ情報の提供を検討。従来から柱にしてきた地域の行事やニュースに加え、エクササイズ講座や図書館の新着本紹介など、村内施設や組織と連携して新たなコンテンツを作ってきた。
関係者は、自主放送の幅が広がったほか、村や施設の取り組みを広める機会にもなったと実感。コロナ禍収束後の番組づくりにも生かしたい考えだ。

教師から児童へメッセージ送る

朝日村はテレビ松本ケーブルビジョンに「AYT」、山形村は「YCS」という自主放送枠を持っている。
朝日村では村教育委員会が3月、学校が休みになった村の児童に向けて「教師のメッセージを自主放送枠で流せないか」と、テレビ松本で両村の自主放送を担当する松田貴之さん(34)に相談。学校側の同意も取り付け、教師らのメッセージを収録、放送した。
このほか、同村図書館は本やDVDの貸し出しを事前予約のみに限定したのに合わせて「貸し出しの参考になれば」と、新着本のリストをCATVでエンドロールのように流して紹介。ホームページに新着本を載せていた山形村図書館も「スマートフォンやパソコンを持っていない人は見ることができない」として、同様の対応を取った。
朝日村地域包括支援センターと公民館は一般介護予防事業「若返りパワーアップ教室」を休止したのに伴い、講師に自宅でできる運動を考案してもらい放送。山形村公民館と村教委は「マスク作り」「簡単ストレッチ&エクササイズ」の企画講座を、村図書館は昨年度まで館内で開いていた「わらべうたの会せっせっせ」をそれぞれ放送している。

図書館や公民館新番組に手応え

視聴者にも好評で、若返りパワーアップ教室を「録画して毎日やっている」との声や、新着本のエンドロールには「こんなに数も種類も多い本が入っていることを初めて知った」といった反応も。制作に携わった職員も「こんなふうにCATVを活用できるとは思わなかった」と話す。
朝日村では今後、地域住民が集まって話す「オレンジカフェ」の再開が当面見込めないことから、音楽ボランティアによるオカリナ演奏を収録し、自主放送で届ける予定。山形村でも、村公民館が次の活用法を模索。「わらべうたの会せっせっせ」を放送している山形村図書館も「わらべうたや図書館を知ってもらうきっかけにもなるので、コロナ禍が収束しても放送を続けたい」(司書の百瀬恵津子さん)とする。
松田さんは「(番組の)バリエーションが増えれば多くの人に一層楽しんでもらえる。自前のチャンネルを持っている強みを今後もどんどん活用してほしい」と話している。