ディアパートナー推進機構瀧澤理事長に聞く―「準婚認定」の狙いは

法律婚でない形のカップルを「準婚」として認定する活動を一般社団法人ディアパートナー推進機構(松本市島内)が始めた。民間の認定制度は全国初。自ら認定「第1号」となった理事長の瀧澤重人さん(59、同市)に狙いなどを聞いた。

2人の関係性示す認定書など発行

─ディアパートナー推進機構が定義する「準婚」とは。
内縁などの事実婚、通い婚、同性婚など、婚姻届を提出せずに互いを人生の良きパートナーとして協力し合う関係。「ディアパートナー」と呼び、この愛称を(同機構の)商標登録した。「準婚カップルの絆を確認し合う日」として、4月18日を記念日登録した。
自分の場合、相手は私と同じく配偶者と死別した女性。家族の承諾を得て、約1年前から通い婚をしている。
─準婚カップルを取り巻く現状は。
性的少数者(LGBT)が権利獲得の声を上げるようになったほか、長寿社会で配偶者の離死別後、新しいパートナーを求める男女が増えてきた。
自治体では2015年、東京都渋谷区が性的少数者らのカップルを婚姻に相当する関係として証明書を発行する「パートナーシップ制度」を導入。以来、今年4月1日現在で47自治体に広がった。県内にはまだないが、松本市の臥雲義尚市長は公約に導入を掲げた。
自治体の対象はほとんどが同性婚だが、異性間の事実婚に対応しているケースもある。相続や税金の控除など法律婚と同レベルの権利が保障されているわけではなく、その自治体から転居すると失効するなど課題もある。だが、行政が2人の関係性を認めることは社会生活上、一定の効果はある。
─同機構の認定制度は。
パートナーシップ制度や、男女間のパートナーシップ制度のない自治体を補完する。全国で準婚カップルを有料で認定し、認定書や免許証サイズの認定カードを発行する。2人の関係性を示す手段として、入院や手術の立ち会い、同意書にサインをする際などに役立つと期待している。
─事業化の経緯は。
妻を亡くした後、この先ずっと1人では寂しいと思い、相続などのことを考え入籍しなくてもよいパートナーを探しているうちに、自分と同じ考えの人が多いことを知った。県職員もしており、定年後も社会貢献ができる仕事はないかと考えていた時でもあった。
2年前、県職員が報酬を得て社会的な貢献活動ができる「社会貢献職員応援制度」が始まったので応募し、知人の行政書士と機構を立ち上げた。準婚に関する新たなサービスは可能性がある。
─今後の展開は。
インターネット上に認定カップルの交流の場を設けたり、木曽漆器など認定者向けの限定グッズを販売したりする。一般にはセミナーなどで啓発に取り組む。信州に「準婚カップルの聖地」を設け、全国から人が訪れるようにもしたい。
多様性を認める社会に貢献する「松本発の取り組み」を全国に発信していく。

【準婚認定の手続き】 認定キットを取り寄せて書類に必要事項を記入、住民票の写しなどの書類を添えて同機構に送付。審査を経て認定証や認定カードなどが交付されるほか、専用サイトの利用や認定者のコミュニティー参加などのサービスが受けられる。認定料は18万円。サイトは「ディアパートナー推進機構」で検索。