平林住設が未来を守る地盤強化「エコジオ工法」

最近、地震が頻発している松本地方。家を建てようとする際に地盤を気にする人も少なくない。セメントを使った杭(くい)を埋め込む従来の手法よりも環境に優しく、工事中の騒音や振動も抑えられる工法を採用している建設会社があると聞き、現場を訪ねてみた。

砕石の石柱埋める

先端に刃が付いた特殊な鉄の筒を重機に取り付けて地面に穴を掘り、自然石の砕石を中に詰めていく。高さ10センチごとに砕石を締め固めながら筒を引き上げると、砕石だけで作った一本の石柱(パイル)が出来上がった。
甲斐駒ケ岳が目の前にそびえる、山梨県北杜市白州町の住宅建設現場。施工主は、築約150年の古民家を取り壊し自宅を新築する蔵田剛さん(46)と一美さん(43)夫婦だ。夕方になると、雨も降っていないのにじめっとしてくるほど水分を多く含んだ土地。そこに長さ4メートルの石柱を30本埋め込む。
工事を手掛けるのは松本市波田の平林住設(平林一郎社長)。パイルで地盤を補強する「エコジオ工法」を採用しているのは、県内で今のところ2社のみという。セメントを使った杭を埋め込む工法では、セメントと土の相性で発がん性物質「六価クロム」が溶け出す恐れがあるが、エコジオ工法はその心配がない。地中の水分が石柱を通って礫層へ抜けていくため液状化抑制効果もあるという。
三重県の地盤改良会社「尾鍋組」と三重大学が共同開発した。ネットで同工法を知った平林社長(46)が尾鍋組を訪ね、「子どもたちの未来を守る」との思いに共感。施工代理店となり、18年秋から工事を手掛けている。
一美さんが自然農法を学ぶなど、環境意識の高い蔵田さん夫婦。「自然豊かな土地にぴったり」と剛さん。同社営業主任の飯塚穂波さん(25)は「内装の素材を考えるのと同じように地盤強化の方法も自ら選ぶのが当たり前となるよう、情報を発信していきたい」としている。