2020.11.19 日本地域情報コンテンツ大賞・タブロイド部門で2年連続優秀賞

「洗濯王子」中村祐一さんに聞く-自宅でできる「制服」の洗い方

臨時休校が始まって約3カ月。季節は初夏を迎え、制服のある学校では間もなく衣替えの時季になります。夏は汗染みや臭い、皮脂汚れが気になるため洗濯の頻度を増やしたいところですが、型崩れや生地の傷みなど気になることも…。伊那市のクリーニング店「芳洗舎」3代目で「洗濯王子」の愛称で知られる中村祐一さん(36、伊那市)に、制服の正しい洗濯方法などを聞きました。

─制服はクリーニングに出さず自宅で洗濯できますか
まずは制服に付いている洗濯表示の洗濯おけマークを見てください。×が付いていない場合は、自宅で洗ってもほとんど失敗はありません。×表示なのに家庭で洗うと、縮み、色落ち、型崩れ、風合い変化などが起こりやすいので、クリーニングに出した方がいいでしょう。
自宅で洗える場合でも、クリーニングに出すことによって家庭での洗濯では落としきれなかった汚れが落ちたり、きちんとした仕上げによって型崩れや張りが戻ったりすることがあります。普段は家で洗濯をし、長期休みにはクリーニングに出すようにすると良い状態を長くキープできます。
─自宅での洗濯方法を教えてください
どのアイテムでも(1)下洗い(2)洗い(3)すすぎ(4)加工(5)脱水(6)乾燥(7)仕上げ-の7工程が基本です。これを制服に当てはめてみます。
(1)下洗い汚れている箇所がないか確認し、目に付く汚れがあれば部分洗いをします。全体的に汚れている、臭いがするという場合は、つけ置き洗いがお勧めです。
手順は、バケツなどに30~40度のお湯を入れる→1リットルに対して、おしゃれ着用中性洗剤5cc、液体の酸素系漂白剤(ワイドハイターなど)10ccの割合で溶かす → 服を入れ20~30分つけ置く。汚れや臭いがない場合は下洗いは必要ありません。
(2)洗いこの洗濯表示は「液温は30度を限度とし、洗濯機で非常に弱い処理ができる」という意味です。水流の強さは洗濯おけの下の横棒で表現し、横棒が多いほど力の加減を弱くすることを示します。
中性洗剤を使い、洗濯機の非常に弱いコース(ドライ、手洗いなど)で洗います。フックなどが付いている制服の場合は、引っ掛かりを防ぐためネットに入れます。
(3)すすぎ最近は「すすぎ1回でOK」という洗剤も増えていますが、すすぎの回数は洗剤の種類ではなく、もともとの汚れを考慮して決めることが重要です。見た目は分からなくても頻繁に洗濯をしていないと汚れがたまっていることも多く、その場合はすすぎを2回以上することをお勧めします。
(4)加工すすぎ終了後に洗濯で失ったものを戻す工程が加工です。一般的な加工剤は「柔軟剤」と「のり剤」。柔らかく仕上げたい場合は柔軟剤、硬く張りを持たせたいときは「のり剤」を使います。好みに応じてどちらを選んでも構いません。
※柔軟剤は洗濯機の投入口に入れていいですが、のり剤は固まってしまうので、水を張った洗濯槽やおけなどにあらかじめ溶かしてつけるといいです。
(5)脱水ドライコースならそのままの脱水時間で。手洗いをして脱水だけ洗濯機を使う場合は、1分程度で十分です。
(6)乾燥この表示は自然乾燥の記号で「日陰のつり干しがよい」を意味します。形を整えてハンガーに掛け、直接日が当らない所に干しましょう。
(7)仕上げ最後にアイロンで仕上げるのが理想です。全体をかけるのが難しい場合、襟やズボン、スカートのラインだけでもかけるとビシッと整います。てかり防止には当て布を使うといいでしょう。
─洗濯の頻度は?毎週末に洗っても大丈夫ですか
家庭で洗える表示が付いていれば週末ごと洗濯してもいいと思います。特に汗をかく夏は清潔を保つことを心懸けましょう。
─制服に付いた汚れや臭いの応急処置は?雨にぬれた場合はどうしたらいいですか
さっと洗うのが一番です。それができないときは、アイロンやスチーマーなどで蒸気を当てると臭いを軽減できます。
洗濯より手っ取り早いのは、ハンガーにかけた状態で浴室に持って行き、シャワーをさっとかけてそのまま干す方法。意外にお勧めです。

プロフィル
中村祐一【なかむら・ゆういち】1984年、伊那市生まれ。「洗濯から、セカイを変える」という信念のもと、2006年から「洗濯アドバイス」という分野を開拓。洗濯から考えるよりよい暮らし方の提案を行い、各種メディアにも多数出演。「洗濯」の本質を正しく学べるオンラインの洗濯講座(sentaku‐yuichiで検索)が大好評。