ダム湖を利用したアウトドアツアー 観光客誘致を視野に

1日中遊べるレジャーに

梓川のダム湖に立木の上から思い切り飛び込んだり、立ったままパドルで水上を移動するSUP(サップ=スタンドアップパドルボード)で湖の奥まで探検したり―。
松本市安曇の東京電力稲核(いねこき)ダム、水殿(みどの)ダム、奈川渡ダムの湖面を、アウトドアや自然体験などのツアーに利用する取り組みが動き出す。地元の観光・宿泊業者らでつくる一般社団法人「信州・乗鞍グリーンツーリズム」を中心に、観光客や修学旅行などの誘致を目指し模索。ツアー実現にこぎ着けた。
6月からゴムボートを使ったラフティングやサップのツアーを始める利用団体「リトルピークス」の事前トレーニングに同行し、梓川ダム湖の楽しみ方を体験してみた。

水中へダイブ 自由に楽しむ

リトルピークスは、水殿ダム湖を軸に3ダム湖のいずれかで実施するツアーを「梓湖SUPアドベンチャー」「梓湖ラフトツーリング」と名付けて展開する。同社代表の小峰邦良さん(39)、スタッフでガイド歴15年の笠松学さん(44)、新人の奥田祥希さん(20)と一緒に25日、エメラルドグリーンの水殿ダム湖で、ラフトツーリングに臨んだ。
ぬれてもよい服と長靴は自分で用意し、現地でヘルメットとボートをこぐためのパドル、リバーシューズ、救命胴衣を借りる。安全講習を受けた後、スタッフと一緒にゴムボートに空気を注入。湖上に浮かび、周囲の景観を楽しむ「川旅」が始まった。
人工物がほぼない周囲の新緑に目をやり、立ち枯れした木の間を抜ける。ほどなく見えてきたつり橋では時折、カモシカが渡る姿も見られるという。
小峰さんがわざとボートでぶつかり、サップで渡る奥田さんがバランスを崩して水中へ放り出された。「落ちてもいいやと思うと、楽しみが一層出てくる」と小峰さん。「途中にある滝に打たれたり、水中へダイブしたりと遊び方は自由自在」。小峰さんは、ボートから立ち枯れした木に登り、水面めがけて飛び込んだ。
水殿川河口部の岸に到着。昼をまたぐ「SUPアドベンチャー」は昼ご飯付きで、眺めの良い場所で昼食をとる。近くにある「道の駅風穴の里」では、ツアー客の需要も見込み、地元食材を盛り込んだ「ダム湖弁当」を開発中だ。

ツアーを軸に 地域活性化も

管理運営団体の「信州・乗鞍グリーンツーリズム」の理事も務める小峰さんは、共同で松本市内や安曇地区に観光客を誘致する「大河の一滴」プロジェクトを推進。「3ダム湖でのツアーを軸に、稲核地区で文化体験などもして、1日中遊べるレジャーに発展させたい」と話す。現在、利用団体はリトルピークスのみだが、地域に在住するなど条件を満たせば他の利用団体の参入も認め、若者が働く場の確保や定住促進にもつなげたい考えだ。

【リトルピークスのツアー】10月下旬まで。「梓湖SUPアドベンチャー」は午前10時~午後3時、中学生以上1万円(昼食付き)、小学生は応相談。「梓湖ラフトツーリング」は午前9時半~正午、午後1時半~4時、中学生以上6000円、幼稚園以上4500円。料金は保険料込み。電話0263・93・1243