平均72.8歳「JJB MSKITO BAND」

元気で楽しく夢追い続ける

松本市在住の平均年齢72.8歳の高齢男女で活動するバンド「JJB MSKITO BAND」。JJBは「ジャパン・ジージ・バーバ」。MSKITO(マスキット)は、メンバーの名前のアルファベットの頭文字を組み合わせた。
退職後、「60、70の手習いに」と始めたギター教室に集まったメンバーを中心に5年前に結成した。「全員元気で楽しく『生きた証し、一生の思い出』をつくろう」を目標に、高齢者施設や宿泊施設などに出向いてボランティアで演奏する。
新型コロナウイルス拡大でしばらく活動を休止していたが、充電中にオリジナル曲を多数作った。活動再開へ準備は万端。バンドのテーマソングの一節「俺たちには未来(あす)があるまだまだ夢を追いかける」を地で行く「元気印」たちを訪ねた。

演奏を通して新しい出会い
活動に広がり県外で演奏も

「JJB MSKITO BAND」のメンバーは、百瀬信義さん(75、リードボーカル・ギター)、小松茂さん(68、ギター)、市川雅右さん(77、ギター)、リーダーの冨永雅夫さん(68、ベース)、大倉孝子さん(76、ピアノ)の5人。加入順に、名前のアルファベット頭文字を並べた(残る「S」のメンバーは病気療養中)。
演奏活動はシルバーカフェ沢村店(松本市沢村3)や同安曇野店(安曇野市三郷明盛)で月に10回ほどの定期演奏会、宿泊・温泉施設「ほりでーゆ~四季の郷」(同市堀金烏川)でのコンサートなど。福祉ひろばや公民館からも依頼があり活動を広げている。
メンバーや来場者の多くが青春時代に聞いたフォークやグループサウンズなど昭和の名曲や、自身らで作詞作曲したオリジナル曲をリクエスト方式で演奏する。リードボーカルの百瀬さんの甘い低音ボイスに魅了されるファンも多い。
友人と何度も演奏会に足を運んだことがあり、「大ファン」という加藤悦子さん(63、松本市渚3)は「いつも楽しく、元気をもらっている。青春を謳歌(おうか)している皆さんの姿は自分の目標であり憧れ。影響されて楽器を始めました」と話す。
そんな演奏会を3年ほど前、シルバーカフェ安曇野店を視察していた鹿児島県内で高齢者福祉施設を運営する社会福祉法人「栄光会」の理事長、中村剛さん(75)が鑑賞。感動した中村さんは「リタイアしてからも『自身ができること、役に立てること』を実践する5人の姿を見て、施設利用者の励みになれば」と同県内での演奏を依頼した。
新型コロナウイルス感染拡大が本格化する前の2月、2泊3日の日程で初の県外演奏のため鹿児島県へ。イベント当日は地元の合唱団などの発表もあり、大トリを飾ったMSKITOは、集まった300人を沸かせた。
滞在中は歓迎会や打ち上げも開かれ、冨永さんは「地元の人たちの手作りのもてなしを受け、いい思い出になった」。イベントの様子を撮影した動画や、外出自粛中に冨永さんが作った新曲「風薫る」などを収録したDVDを感謝の気持ちを込めて中村さんに贈った。

自作曲だけのコンサートを

「仕事をリタイアすると、だんだんと人付き合いが減っていく。そんな中、メンバーをはじめ、演奏を通して知り合う人など、新しい出会いがあるのは夢のよう」と冨永さん。
昨秋には、バンドメンバーの平均年齢が40歳以上のバンドを対象にしたコンテスト「おやじバンドフェスティバル2019」(長野市、県文化振興事業団主催)に初出場。書類と映像審査で参加33組中25組に絞る予選ライブまで進み、「ライブハウスで演奏を」という夢がかなった。
もう一つの夢が「オリジナル曲だけのコンサートを開く」。ステイホーム中に曲作りに励み、昨秋に5曲だったオリジナル曲は19曲に増えた。

コロナ感染が一定程度落ち着くのを見据えて、シルバーカフェ安曇野店で会員を対象に演奏会を予定するなど活動再開へ動きだす。詳しくは同カフェのサイトで。
小松さんは自殺防止を訴えようと作詞した楽曲「立ち止まれ今は」を、小中学校の合唱曲などとして活用してほしい─と、無料で提供を始めた。