松川の高校1年生 ロンドンへバレエ留学

松川村の高校1年生、一本木ひとみさん(16)は、クラシックバレエの本場、英ロンドンのバレエ学校「セントラル・スクール・オブ・バレエ」への留学が決まった。2月に東京で行われたオーディションに合格し、9月に入学予定。「世界で通用するダンサーになる」という夢の扉を開き、羽ばたこうとしている。
5歳で始めた新体操の教室でバレエに触れ、6歳から長野バレエ団(本部・長野市)の教室へ。小学2年生から専門家養成クラスで学び、中学卒業までは松本教室(松本市蟻ケ崎)を主に本部にも通ってレッスンを受けた。現在は、通信制の明蓬館高校バレエダンサーコース(東京)の特待生として学びながら、本部に通って週6日練習する。
英国留学は、全国コンクールで入賞するようになった小学5年生からの夢。昨春、ロンドンにある別のバレエ学校で1週間ほど学んで英国留学への思いがいっそう高まり、セントラル校のオーディションに初挑戦で合格した。
長野バレエ団の倉島照代団長(93)は、日本以上にコロナ禍が深刻な英国への留学を延期するよう勧めたが、一本木さんの意思は揺るがない。倉島さんは「現時点で満点の子ではないが、伸びしろが見えるから合格したと思う。本場でどれだけ自分を伸ばせるか楽しみ」とエールを送る。

小学生のころ、コンクール前の重圧に負けそうになった時、熊川哲也さんら世界的なダンサーの自信あふれる踊りの映像を見たり雑誌の記事を読んだりし、勇気づけられて前を向けた。「自分も、頑張る人のマイナス思考をプラスに変えられるような、夢を与えられるダンサーになりたい」と、プロになることを決意した。
学校が終わるとほぼ毎日、母の宏江さん(44)が運転する車でバレエ教室に直行し、松本まで片道45分、長野まで1時間半の車中で着替えや食事をし、勉強もした。日本人は身長や手足の長さ、骨格などで不利といわれる分、「技術や表現を磨いて差を埋めたい」と、レッスン開始の数時間前に教室に入り、終了後も可能な限り残って自主練習を重ねた。
学校の休み時間などにも勉強し、児童会や生徒会の役員も務めた。「学業との両立は大変だったが、バレエを言い訳にしたくなかった」と一本木さん。宏江さんは「貪欲に頑張ってきた。体に気を付け、時代に合った生き方をしてほしい」と娘の背中を押す。

渡英を控え、学生ビザの取得に必要な英語力検定試験の勉強にも励んでいる。3年制のセントラル校では、各国から集まった1学年約40人が学び、寮で自炊しながら生活する。言葉や生活の不安もつきまとうが、「この留学が、バレエ人生の中で一番大切な時期になる」ときっぱり。海外のバレエ団で踊る日を夢見る16歳の言葉はすがすがしい。