電子決済使ってますか? ポイント還元制度終了迫る

便利でお得、感染防止で追い風

しまった、始めるのが遅かったか―。
カフェで食べたランチの代金をスマートフォンのキャッシュレス決済で払ってみた。金額は770円、付与ポイントは3円。スマホにそう表示された。
キャッシュレス決済ポイント還元制度。消費増税の影響を踏まえた景気下支えと、外国人観光客の増加を背景にしたキャッシュレス決済普及を主目的に、政府が昨年10月から今年6月末までの期間限定で実施。対象店で利用すると2~5%の還元が受けられる。
お得感に加え、新型コロナウイルス感染拡大で支払いの際に「不特定多数が触れる紙幣や硬貨を直接やりとりしなくて済む」と始めた人も多い。記者も最近、遅まきながら使い始め、意外に便利だなと感じた。
きょうを含めて、ポイント還元制度はあと1週間。

QR決済一本に無駄使いに注意

安曇野市三郷の会社員、小林照幸さん(30)は、日々の支払いのほとんどがスマートフォンを使ったQRコード決済だ。1人暮らしのため、食品や日用品、飲食代をはじめ、部屋のインテリアや洋服、車検やスッタドレスタイヤの支払いまで、使い始めた昨年2月から現在まで計80万円をキャッシュレス決済で支払い、還元ポイントとして7万円分が戻ってきた。
当初はQRコード、電子マネー、クレジットカードを持っていたが、分散すると管理が面倒なためQRコード1本にしたという。以前は現金主義だった小林さん。「使った金額やポイントがスマホですぐに分かるし、現金の出し入れがないので会計も早い。こういう時代になっていくんだと感じます」
キャッシュレスで不便を感じたのは、スマホの通信ができない山間部や、電池が終わったら使えないことぐらいという。一方で、気を付けているのは無駄遣い。「キャッシュレス決済は20%支出が増える」という専門家の話を耳にし、500円玉貯金を続けている。

高まる利用率に課題あるも継続

松本市寿豊丘で沖縄料理を提供する「cafe&居酒屋まんなか」は、クレジットカードとQRコード決済に対応している。宮城慶彦オーナー(39)によると、支払いにキャッシュレス決済を利用する客は3割ほど。2年ほど前は、ほとんどが現金払いだったという。
一方で、仕入れ業者への支払いは現金取引のため、キャッシュレス決済が増えると手元の現金が減り困ることも。「現金とキャッシュレスの板挟みは課題だが、予約の電話でキャッシュレス対応か聞いて来てくるお客さんも多いので、今後も続けたい」と話す。
自転車の製造、卸、販売などのカミヤマ(同市渚)は、ポイント還元制度が始まる前の昨年7月にキャッシュレス決済を導入した。現在はショールームの売り上げの約2割がキャッシュレスだ。
神山和彦社長(50)によると、キャッシュレス決済の利用は30、40代が最も多く、「意外にスマホ世代の大学生が少ない」と指摘。10万円代の電動自転車から数千円の修理代まで、利用金額の幅も広いという。
キャッシュレス決済を導入したものの、利益が増えたわけではなく、「自転車販売は利益率が低く、クレジットカード会社に支払う手数料は経営の負担になってくる」と懸念する。ただ、キャッシュレス決済の利用者が増えていることから「お客さんの利便性を第一に考えると、キャッシュレス決済は続けていかなくてはならないだろう」としている。

松本でも普及、利用今後も増える

キャッシュレスの現状と展望を、「プリントショップ・ミネ」(松本市宮渕)社長でキャッシュレス決済コンサルタントの長嶺忠洋さん(44)に聞いた。
―松本周辺の店舗でキャッシュレスは普及しているか
「キャッシュレス決済の利用率は昨年10月以前は10~15%だったが、今は平均で40%、多い店は80%に達している。民間の調査によると、新たに始めた人のうち、最も多いのがQRコード決済で77%、スイカなど電子マネーのタッチ決済が37%、クレジットカードは45%だった」
―6月末でポイント還元制度が終わる
「ユーザーへのアンケートで8割が『7月以降もキャッシュレスを続ける』と答えた。アフターコロナで非接触、時短に決済できるQRコードや電子マネーはさらに注目されるだろう。来年の8、9月までは決済手数料、導入費用を無料にする会社もあるので、まだ導入していない店はこの期間を逃さない方がいい。一方、クレジット決済はこれまで3・25%以下に抑えていた手数料が上がるので注意が必要だ」